研究課題/領域番号 |
20K16037
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 紀宏 東北大学, 大学病院, 助教 (50770723)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | OATP4C1 / 薬物トランスポーター / 副作用回避 / 胆汁酸 / 薬物相互作用 / 肝障害 / 腎排泄型薬物 / 薬物-胆汁酸相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
臨床現場では、肝代謝・胆汁中排泄型薬物は肝機能を、腎排泄型薬物は腎機能を指標に投与設計が行われる。しかしながら、肝障害時に腎排泄型薬物の血中濃度が上昇することが知られており、腎臓の近位尿細管に発現する薬物トランスポーターの解析が行われてきたが、これまでに肝障害モデル動物等で解析された腎臓の薬物トランスポーターは一部にとどまる。そこで本研究では、腎臓に発現する薬物トランスポーターOATP4C1における、肝障害時の未知の薬物相互作用を評価することとした。本研究で得られる成果は、予期せぬ副作用で苦しむ患者を救うための、腎排泄型薬物の投与設計最適化研究に貢献すると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、肝障害時の腎排泄型薬物の投与設計最適化に貢献する事を目的として、腎薬物トランスポーターOATP4C1における、薬物-胆汁酸相互作用を調べた。まず、OATP4C1の輸送に対する遊離型・抱合型胆汁酸45種の相互作用を調べた。続いて、相互作用を示した胆汁酸について、濃度依存性試験を実施し、IC50およびKi値を算出した。さらに、肝疾患患者の血中胆汁酸濃度を調べた。胆汁酸の血中濃度とIC50値を用いて算出したBile acid-drug interaction indexにより、肝疾患患者において、実際に胆汁酸の一部が腎薬物トランスポーターを阻害していることが予測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床現場では、患者の状態を十分に勘案し投与設計しても、薬物血中濃度上昇による副作用を経験する患者がいる。例えば、肝障害時の腎排泄型薬物の血中濃度は、腎臓に発現する薬物トランスポーターの機能変動に基づく可能性が示唆されているが、解析が進んでいない。本研究では、肝疾患時に血中に蓄積する胆汁酸と腎臓の薬物トランスポーターOATP4C1の相互作用を詳細に解析した。本成果は、肝疾患を有する患者における安全な薬物療法実施に貢献するものである。今後も薬物の投与設計最適化研究に貢献することで、予期せぬ副作用で苦しむ患者を減らし、入院期間の短縮等による社会的かつ医療経済的に有益な効果をもたらすことが期待される。
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