研究課題/領域番号 |
20K16040
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 信州大学 (2022-2023) 浜松医科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
柴田 海斗 信州大学, 医学部附属病院, 薬剤主任 (00857055)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん化学療法 / 抗EGFR抗体薬 / 薬物動態 / 臨床効果 / がん悪液質 / 炎症性サイトカイン / 糖鎖修飾 / セツキシマブ / 血清中濃度 / がん患者 / 忍容性 / 頭頸部がん / アルブミン / 全身倦怠感 / N型糖鎖構造解析 / 固相化パパイン / フーリエ変換型質量分析計 / 皮膚障害 / 血中動態 |
研究開始時の研究の概要 |
抗ヒト上皮成長因子受容体(EGFR)抗体薬のセツキシマブは、大腸がん・頭頸部がんに有効な治療薬だが、効果不十分な患者や重篤な皮膚障害を伴う患者が一定数存在する。セツキシマブは抗体依存性細胞障害(ADCC)を介して抗腫瘍効果を示すが、その糖鎖パターンの違いによってADCC活性が変動することが証明されている。しかし、実臨床において、セツキシマブの糖鎖修飾を定量的に評価した報告は存在しない。本研究では、がん患者を対象に、セツキシマブの血中動態と糖鎖修飾を解析し、それらと臨床効果との関連性、および血中動態・糖鎖修飾に及ぼす患者背景の影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
がん治療に用いられる抗EGFR抗体薬の臨床効果には大きな個人差が存在する。その要因として、抗体薬の体内動態に加えて、がん病態の進行や抗体構造内の糖鎖修飾による影響が考えられる。本研究では、がん悪液質の病態に着目して、頭頸部がん患者におけるセツキシマブの体内動態及び臨床症状の個人差要因を明らかにするとともに、血中セツキシマブの糖鎖構造解析法の開発を行った。本研究の成果として、がん悪液質の進行とそれに関連する炎症性サイトカイン及び血清アルブミンの挙動は、血中セツキシマブ濃度の低下に関連していた。また、悪液質の病態における全身性の炎症は、セツキシマブによる全身倦怠感の重症化に寄与していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、進行がん患者における抗EGFR抗体薬の体内動態や臨床効果の個人差を規定する要因が一部明らかとなった。この研究成果の学術的意義として、がん悪液質の進行度やがん進行に伴う全身性の炎症度を評価することで、抗EGFR抗体薬の体内動態や身体症状の予測が可能となる。本研究成果の社会的意義として、がん患者における抗EGFR抗体薬の体内動態や臨床症状の予測は、その忍容性を向上させるとともに、がん化学療法における抗体薬の薬物治療管理の質向上が期待できる。
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