研究課題/領域番号 |
20K16043
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松本 准 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60709012)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | カボザンチニブ / 腎細胞がん / OATP2A1 / MATE1 / 腎細胞癌 / トランスポーター / 腎癌 / OATP / MATE |
研究開始時の研究の概要 |
腎癌に対する最も効果的な分子標的薬は、新規マルチキナーゼ阻害剤のカボザンチニブである。しかし、従来の分子標的薬適用後にカボザンチニブが投与された場合、大多数の患者が非感受性を示す。腎は薬物輸送機構が高度に発達しており、多くの腎癌患者に共通する薬剤感受性低下の主要因としては、薬物トランスポーターが挙げられる。加えて、カボザンチニブの輸送には、トランスポーターが関与することが示唆されている。そこで本研究は、トランスポーターに起因するカボザンチニブ非感受性機序の解明を目的とする。本研究成果は、薬剤感受性の観点からカボザンチニブ、延いては腎癌全体の薬物治療成績の向上に大きく貢献する可能性がある。
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研究成果の概要 |
本研究では、腎癌に対する新規分子標的薬カボザンチニブ(CAB)の非感受性メカニズムの解明を目指し、腎に高発現する薬物トランスポーターOATP2A1(取り込み)およびMATE1(排泄)に着目した。その結果、両トランスポーターのCABに対する輸送活性は低いが、その反面でこれらのトランスポーターの発現量が腎癌患者の予後と有意に相関することを初めて見出した。また、OATP2A1の典型的な生体内基質であるプロスタグランジンE2が、癌細胞の遊走・浸潤能に影響を及ぼすことも別途見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で、OATP2A1およびMATE1の発現が腎癌患者の予後に影響を及ぼすことが初めて明らかとなった。一方で、これらのトランスポーターがCABの輸送を担う可能性は低いことが示唆された。今後はOATP2A1やMATE1以外のトランスポーターによるCABの輸送を解析する必要があるが、両トランスポーターを含めて、CABのみならず他の分子標的薬の感受性や患者予後に関わるトランスポーターを複数特定することで、腎癌患者に対する治療の個別適正化が推進されることが期待される。
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