研究課題/領域番号 |
20K16050
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
安部 賀央里 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 講師 (70440625)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 薬剤性腎障害 / 医療ビッグデータ / 機械学習 / 有害事象自発報告データベース / 医療情報データベース / 副作用 |
研究開始時の研究の概要 |
薬剤性腎障害では腎機能障害が進行し生命予後が不良になるケースが問題となっている。そこで、薬剤性腎障害を早期に診断し、予防・治療を適切に行い腎障害の進行を抑制することは臨床上重要である。本研究では、大規模な有害事象自発報告データベースから薬剤性腎障害を引き起こす医薬品を特定し、さらに病院情報システムの医療情報から機械学習を用いて薬剤性腎障害の有無を予測する手法を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究では、医療ビッグデータと機械学習を活用して薬剤性腎障害の予測モデルを開発した。有害事象自発報告データベースであるJADERとFAERSから薬剤性急性腎障害(AKI)を引き起こす可能性の高い医薬品を定義し、化学構造情報のみからAKIを判別するアンサンブルモデルを構築した(ROC-AUC:0.82)。また、名古屋市立大学病院の電子カルテ情報からバンコマイシンによるAKIを引き起こす可能性の高い患者を判別するLightGBMモデルを構築した(ROC-AUC:0.78)。本モデルは臨床現場における効率的な支援に加え、腎障害誘発作用のリスクが低い新薬開発においても有益となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、医療ビッグデータと機械学習を活用した薬剤性腎障害の予測研究であり、医薬品の安全性評価の効率化、高度化に向けた取り組みとして重要である。機械学習を用いることで、膨大な医療関連データから複雑で多様な情報を解釈し、新たなリスク因子候補を見いだすことが可能となる。本研究で開発した予測モデルから得られる、腎障害の発症リスクの高い患者や原因薬剤の情報は新薬開発にも有益となり学術的意義が大きい。さらに、薬剤性腎障害は高齢化に伴い今後増加することが懸念され、医療現場での早期診断、原因薬剤の特定による早期対策を支援することが可能となるため社会的意義も大きい。
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