研究課題/領域番号 |
20K16052
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 はづき 獨協医科大学, 医学部, 助教 (10831480)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 抗うつ薬 / CYP2D6 / 薬物動態 / 薬理遺伝学 / ベンラファキシン / pharmacokinetics / pharmacogenetics / venlafaxine |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では日本人におけるCYP2D6遺伝子多型(特に*10アリル)が、VEN、ODVラセミ体と各エナンチオマー(S-VEN、R-VEN、S-ODV、R-ODV)の血漿中濃度にもたらす影響について検討した。重回帰分析の結果では、CYP2D6*10アリル数は補正VEN、S-VEN、S-ODV各血漿中濃度に対して影響を与える因子であり、補正VEN(p=0.08)、S-VEN(p=0.059)血漿中濃度において有意に高いことが示された。また年齢や性別、飲酒が、VENとそのエナンチオマーの血漿中濃度に影響を与える可能性について示唆された。
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研究実績の概要 |
抗うつ薬であるVenlafaxine (以下、VEN) は、欧米では20年以上の使用経験があるが、 本邦では2015年に使用が開始されたばかりである。VENは主にCYP2D6で代謝され、白人におけるVENおよびO-desmethylvenlafaxineの薬物動態にCYP2D6が大きく影響することは先行研究で報告されているが、アジア人特有のCYP2D6遺伝子型がVENの代謝に及ぼす影響については、限られたデータしかない。本研究では、約70名の日本人うつ病患者のVENおよびODVの定常状態の血漿中濃度に及ぼすCYP2D6*10およびCYP2D6*5の遺伝子型の影響について検討した。その結果、CYP2D6*10やCYP2D6*5を持っていると代謝率が変化することが明らかとなった(Komahashi-Sasaki, et al., TDM, 2021)。さらに光学異性体に分けて細かく検討したところ、(S)-VENや(R)-VENの代謝のどちらにもCYP2D6*10やCYP2D6*5が深くかかわっていることが分かった(Sasaki et al., Basic Clin Pharmacol Toxicol, 2021)。一方、各遺伝子多型のグループ内での個体差は依然として大きく、CYP2D6遺伝子多型だけでは正確な薬物動態の予測は難しく、さらなる薬物代謝に関る酵素の遺伝子多型を調べる必要性が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今までに約100例の血液サンプルを収集し、venlafaxineおよびO-desmethylvenlafaxineの血漿中濃度の測定や、CYP2D6遺伝子型の同定も行っている。また、VENおよびODVの薬物動態と遺伝子多型との関連について解析を行い、その結果を論文として英文雑誌に投稿し掲載されている。
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今後の研究の推進方策 |
Venlafaxine服用中の患者からサンプルを継続的に収集し、さらにサンプル数を確保するように努める。また、遺伝子多型について、CYP2D6だけでなくCYP3A4、CYP2C19等にまで対象範囲を広げ、venlafaxineやその光学異性体、グルクロン酸抱合体などの代謝物の薬物動態との関連について、さらなる解析を行ってゆく予定である。
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