研究課題/領域番号 |
20K16056
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
野口 幸希 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 助教 (10803661)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | トランスポーター / 近位尿細管 / メチルマロン酸 / 有機アニオン / 有機酸 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性有機酸代謝異常症の中で、メチルマロン酸(MMA)血症は、慢性腎不全を特徴とする。MMAは尿中排泄で消失し、MMAの尿細管での蓄積は腎毒性の原因となる。本研究は、近位尿細管におけるMMAの取り込み過程の阻害及び分泌過程の促進を標的とした、MMA血症における慢性腎不全の予防法提案を目標とする。まず、MMAの尿中排泄に寄与する分子機構を明らかにする。そして、阻害または賦活化することによってMMAの尿細管蓄積を抑制可能な分子を、薬物治療の標的として見出すことを到達点とする。
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研究成果の概要 |
近位尿細管基底細胞膜に発現する有機アニオントランスポーターOAT1を介したメチルマロン酸の取り込みが示された。また、ラット腎スライスを介したメチルマロン酸取り込みはOAT阻害剤であるプロベネシドによって阻害された。したがって、OAT1は、血中から近位尿細管細胞内への取り込みを介して、メチルマロン酸の尿細管細胞内への蓄積または尿中への分泌機構に関与する可能性が高い。また、ラット尿細管管腔側膜小胞を介したメチルマロン酸の取り込みには、ナトリウム依存性トランスポーターの関与が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トランスポーターによるメチルマロン酸の輸送について検討し、OAT1がメチルマロン酸を基質認識することを見出した。メチルマロン酸血症患者における腎障害は近位尿細管で観察されることから、OAT1がメチルマロン酸による腎障害発症に関与している可能性がある。トランスポーターによる有機酸の基質認識は、有機酸代謝異常症における新規薬物治療法を開発したり疾患時の薬物腎クリアランスの変動について予測したりする上で重要な知見となり得る。
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