研究課題/領域番号 |
20K16059
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
鈴木 直人 日本大学, 薬学部, 講師 (60756005)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | イオン液体 / 経鼻投与 / 鼻腔内滞留性 / 多孔性シリカ / 水溶性中分子 / NSAIDs / 粘膜透過性 / 噴霧性 / 粉末化 / Calu-3細胞 / 中分子医薬品 |
研究開始時の研究の概要 |
新たな創薬モダリティであるペプチド・核酸などの水溶性中分子を血液を介さず脳へ直接送達できる投与方法として、経鼻投与が注目されている。一般的に、経鼻投与された薬物の鼻粘膜からの効率的な透過には、機能性添加剤による鼻腔内滞留性ならびに粘膜透過性の付与が必須である。しかしながら、機能性添加剤の多用は製剤中薬物濃度の低下による脳内移行に重要な嗅粘膜への薬物付着量の減少が懸念される。本研究では、水溶性中分子を粘膜付着性および粘膜透過促進効果を併せもつイオン液体に溶解後、多孔性シリカに含侵させることで製剤の高濃度化を実現し、機能性添加剤を用いた場合より、優れた薬物脳内移行性をもつ経鼻製剤を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究では,粘膜透過性を促進可能なイオン液体を血液脳関門非透過性薬物であるエトドラクや水溶性中分子のイヌリンに適用し,鼻から脳への直接経路の存在する鼻腔内に経鼻投与したところ,各化合物の嗅球,脳および血中への移行性が増加することを明らかにしたことで,脳標的経鼻投与製剤の設計において,イオン液体は有用な製剤材料であることが示唆された. また,イオン液体自身は粘稠であり汎用経鼻デバイスによる噴霧が困難なため,吸収剤の多孔性シリカにイオン液体を高温条件下で撹拌混合することで封入することにより,優れた流動性を示し汎用経鼻投与デバイスで噴霧が可能なイオン液体含有粉末経鼻投与製剤の設計が可能であった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢化社会への突入により増加傾向にある難治性中枢性疾患の治療薬に対するニ-ズは増加の一途である.本研究では,経鼻投与した薬物の脳移行性に及ぼす影響とその製剤化技術ならびに性能を明らかにしたことで,これら疾患に対する治療薬の開発を促進する一助となることが期待される.また,脳移行性の乏しさから開発を断念した化合物や,市販された脳標的医薬品のリポジショニングするための製剤設計にも貢献し得る知見であると考えられた.
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