研究課題/領域番号 |
20K16060
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
河合 聡人 藤田医科大学, 医学部, 講師 (20435150)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 構造生物学 / ヒト血清アルブミン / 薬剤感受性 / 抗菌薬 / 薬剤感受性試験 / アルブミン / X線結晶構造解析 / 血漿タンパク結合 |
研究開始時の研究の概要 |
感染症治療の実臨床では複数の抗菌薬や抗菌薬と他の薬剤といった多剤併用治療が行われる。血漿タンパク結合率の高い抗菌薬では、ヒト血清アルブミン(HSA)結合で競合する薬物が併用されると治療効果の低下が懸念される。しかし、現状では抗菌薬とHSAの相互作用情報が少なく、併用薬の影響を予測、検証するのが難しい。そこで本研究では、X線結晶構造解析により抗菌薬とHSAの詳細な相互作用を解明する。これを基に競合的にHSAに結合する薬物を選出し、その薬物存在下で抗菌薬の感受性の変化を評価する。この一連の解析を分子骨格の異なる11種の抗菌薬で実施し、「併用薬物を考慮した最適な抗菌薬の投与設計」の礎を築く。
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研究成果の概要 |
本研究では立体構造の報告が少ない抗菌薬とヒト血清アルブミン(HSA)複合体のX線結晶構造解析を試みた。その結果、7種類の抗菌薬について結晶化に成功し、うち3種類については構造を決定、詳細な相互作用様式を解明することができた。また、薬剤感受性試験により、HSAとの結合部位について競合する薬物が存在すると最小発育阻止濃度が変化し、薬効に影響することを実験的に確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HSAは抗菌薬だけでなく抗がん剤や抗炎症薬など多くの薬と相互作用し、その結合変化によって薬効が左右される。特に救命的な重要性を有する抗菌薬は静脈内に直接投与されるものが多く、血中HSA濃度と同等になることから、併用薬とHSAの結合部位を取り合えば薬効変化が懸念される。本研究で得られた抗菌薬とHSAの詳細な相互作用様式は、併用注意の薬物リスト作成に役に立ち、効果的な薬物療法の設計に応用されることが期待できる。
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