研究課題/領域番号 |
20K16064
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
小田 啓祐 広島国際大学, 薬学部, 講師 (60712594)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 血管障害 / アンスラサイクリン系抗がん剤 / ホスアプレピタント / 活性酸素種 / ロバスタチン / 血管内皮細胞 / 血管毒性 / ドキソルビシン / アポトーシス / 蓄積上昇 / 相互作用 / 抗がん剤 |
研究開始時の研究の概要 |
臨床においてNK1受容体拮抗薬であるホスアプレピタントとアドリアマイシンやエピルビシンなどのアンスラサイクリン系抗がん剤を併用すると、静脈炎や血管痛が多発することが報告されている。重篤な静脈炎が発生すると、患者のQOLが低下し、有益な化学療法を中断せざるを得ない状況につながる。現在のところ、静脈炎の回避はホスアプレピタントの投与を中止するなどの対処的な方法が選択されている。本研究は、アンスラサイクリン + ホスアプレピタントによる静脈炎の発生メカニズムをin vitroおよびin vivoで解析し、静脈炎の発生を回避しつつ有益な化学療法を継続する代替手段を提案することを目的とする。
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研究成果の概要 |
乳がんの治療で使用されるエピルビシン(EPI)とNK1受容体遮断薬のホスアプレピタント(FAP)を併用すると、臨床において重篤な静脈炎が発生する。この相互作用をin vitro血管内皮細胞で検討すると、EPIによる細胞障害は、FAP共存時のみ増強され、共存を回避する手法は血管障害の回避に有用であることが示された。また、スタチン系薬剤であるロバスタチンは、活性酸素種依存性のアポトーシスを抑制することでEPIとFAPの併用時の血管毒性を軽減できることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化学療法が誘発する悪心・嘔吐は、患者のquality of life(QOL)を低下させる要因であり、避けることが望ましい副作用である。ホスアプレピタントは化学療法時に1回の静脈内投与でアプレピタントと同様の嘔気抑制効果を示すことから、経口投与することができない患者やアドヒアランスの不良な症例に対して優れていると考えられているが、抗がん剤と併用した際には血管障害のリスクが顕著に増大する。ホスアプレピタントによる血管障害に着目し、そのリスクファクターと回避方法について検討し、今回の結果が示すような予防方法を提唱することは効果的かつ安全な化学療法の遂行に貢献できるものと考えている。
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