研究課題/領域番号 |
20K16082
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
宋 復燃 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (30846001)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 脂質ナノ粒子 / siRNA送達 / マクロファジターゲット / IL-12p40遺伝子 / マクロファージターゲット / siRNA |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患(IBD)の病因はいまだ不明であるが、病態のトリガーが、自然免疫系の免疫応答異常を介したIL-12/23の過剰産生であることが明らかになっている。IL-12とIL-23の共通のサブユニットであるIL-12p40の遺伝子発現が核酸医薬によって制御可能になれば、免疫学的異常が修正され、革新的な治療効果に繋がることが期待される。以上の背景から、DDS技術を用いたIL-12p40遺伝子サイレンシングのIBD治療の有効性を、IBD疾患モデル動物において明らかにすることを目標にして研究を展開する。
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研究成果の概要 |
本研究では、比較して安全性が高いcharge-reversible脂質ナノ粒子(LNP)を用い、マクロファージ様細胞株であるRaw264.7細胞においてLNPの遺伝子発現抑制効果を確認できた。また高いsiRNA保持能を有し、粒子径約100 nmの均一な糖鎖修飾LNP粒子の構築する方法が得た。さらに、糖鎖修飾LNPの修飾法を最適し、標的遺伝子の発現抑制効果をマウス骨髄由来のマクロファージ細胞、樹状細胞において確認できた。標的の免疫細胞に高い移行性を有する脂質ナノ粒子を開発し、免疫細胞において標的する遺伝子の発現低下を誘導することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IBDの病因はいまだ不明であるが、マクロファージと樹状細胞からインターロイキンが大量に産生されることがIBD発症の要因と考えられている。実際に、抗ヒトインターロイキン抗体製剤はIBDの維持療法に用いられているが、治療にはくすりの持続投与と医療費負担が問題となっている。IBDを根源的に治療するには、すでに過剰産生されたインターロイキンを抗体で中和するのではなく、その産生自体をRNA干渉薬で抑える治療法の開発が有効であろうとの着想に至った。本研究では、安全性が高く、標的のマクロファージに特異的に取り込まれるCharge-reversible脂質ナノ粒子を開発し、IBD治療に応用することを試みる。
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