研究課題/領域番号 |
20K16083
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
三村 佳久 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (10839335)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 前立腺がん / 骨転移 / 骨密度 / 超音波骨密度測定装置 / 活動量 |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺がんは高頻度で骨に転移する。骨転移によって骨痛や骨折が生じると、患者の日常生活に大きく支障をきたすため、一度骨転移を生じると生活の質の低下は免れない。そのため、骨転移を未然に防ぐための予測法や予防法の開発が望まれる。前立腺がんは骨密度の低下した骨に転移しやすいことが報告されている。このことから、骨密度が骨転移を予測するための指標となる可能性が考えられる。しかし、臨床において、骨密度と骨転移の関連性を明らかにした報告はない。そこで本研究では、超音波骨密度測定器を用いて前立腺がん患者の骨密度を評価し、骨密度と骨転移との関連性を明らかにし、骨密度を用いた骨転移の予測法の開発に取り組む。
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研究実績の概要 |
骨転移(-)群(n=29)、骨転移(+)群(n=31)に分け解析を行った。患者背景は年齢[中央値(範囲)]はそれぞれ70歳(53~86)、75歳(62~90)であった(p<0.05)。リンパ節転移のある患者は3名および19名であった(p<0.05)。内臓転移のある患者は1名および6名であった(p=0.104)。去勢抵抗性前立腺がんである患者は0名および12名であった(p<0.05)。 超音波骨密度測定装置を用いて踵骨の超音波骨内伝達速度[speed of sound; SOS(m/s)]を測定した結果、1500m/s(1471-1580)および1486m/s(1422-1616)であり、骨転移(+)群で有意に低値であった(p<0.05)。各年齢のSOSの標準偏差を1SDとして規定したZスコアを比較すると0.39SD(-0.68~3.56)および-0.16SD(-2.55~4.69)であり、骨転移(+)群で低い傾向にあった(p=0.07)。骨密度測定後、骨転移が出現・増悪した患者は11名であった。そこで、骨転移の出現・増悪を予測するためのSOSのカットオフ値をreceiver operating characteristic曲線(ROC曲線)を用いて解析した結果、1500m/s(曲線下面積0.68、95%信頼区間0.518-0.842)と算出された。このカットオフ値をもとに患者をSOS high群、SOS low群に分け、骨密度測定時から骨転移の出現・増悪までの期間をlog rank検定にて解析した。その結果、骨転移出現・増悪までの日数の中央値(95%信頼区間)はSOS high群で未達[not applicable(NA)-NA]、SOS low群で未達(679-NA)であり、SOS low群でより早期に骨転移の出現・増悪が見られる傾向にあった(p=0.0864)。
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