研究課題/領域番号 |
20K16085
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
平尾 卓也 国際医療福祉大学, 薬学部, 助教 (80827759)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がん代謝 / マウスモデル / Ba/F3細胞 / BCR-ABL / チロシンキナーゼ阻害剤 / がん免疫 / ミトコンドリア / 慢性骨髄性白血病 / 動物モデル / 血液がん / チロシンキナーゼ阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
「がん代謝」と「がん免疫」に対して多くの研究者がその究明に挑み、近年になり、がん細胞と免疫細胞のエネルギー代謝状態ががん治療に影響することが理解され始めてきた。この2領域の融合によって、がん研究及びがん創薬研究は革新的な発展を遂げると考えられるが、現状、がん細胞-免疫細胞のエネルギー代謝状態、がん進行度、免疫機能を同時に評価することは困難を極める。この問題を打破するためには、がん細胞と免疫細胞のエネルギー状態を同時に評価できる適切な動物モデルの確立が急務である。よって本研究では、がん細胞-免疫細胞内のエネルギー状態や免疫能を同時に評価できる動物モデルの構築に挑戦する。
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研究成果の概要 |
近年、がん細胞や免疫細胞のエネルギー代謝状態が抗がん剤治療の効果に影響することが理解され始めてきた。本研究では、がん細胞と免疫細胞のエネルギー状態を同時に評価できる動物モデルの作出に挑戦した。 まず、レポーター遺伝子導入がん化細胞を樹立した。がん遺伝子であるBCR-ABL遺伝子、レポーター遺伝子としてGFPおよびiuciferaseを挿入したコンストラクトベクターをマウス前駆B細胞株Ba/F3細胞に遺伝子導入した。さらに、樹立した細胞をC3H系マウスに移植することで、免疫機能が正常な血液がんモデルマウスの作出に成功した。本モデルはチロシンキナーゼ阻害剤の薬効評価が可能であることも確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん代謝とがん免疫を結びつける横断的研究が盛んに行われるようになったが、それらの研究用いられる動物モデルは作出にコストが掛かり、研究施設も制限される。我々が構築したマウスモデルは簡便かつ低コスト、更に封じ込めレベルもP1A(プラスミドベクターで作成可能)であるため、多くの研究者が活用できるモデルであり学術の発展という点で有用であると確信している。また、本モデルはチロシンキナーゼ阻害剤だけでなく、近年汎用される免疫チェックポイント阻害薬に対する抗腫瘍効果や副作用を評価し得るモデルとなる可能性があり、抗がん剤の適正使用への貢献が期待される。
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