研究課題/領域番号 |
20K16089
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
今岡 鮎子 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 助教 (10710957)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アルミニウム / 金属カチオン / キレート形成 / ニューキノロン系抗菌薬 / 消化管吸収 / 薬物相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヒトが摂取しうる金属の中でも有害度の高いアルミニウムについて、その吸収特性を解明することを目的とし、1.金属カチオンとニューキノロン系抗菌薬併用時の両剤の全身曝露 と、2.アルミニウムの吸収メカニズム を明らかにする。 まず、ラットを用いて、抗菌薬併用によるアルミニウムを含む金属カチオンの吸収亢進が、生体レベルでも観察されるかを評価する。血漿、尿中濃度だけではなく、脳を含む臓器移行性も検討することで金属カチオンの全身曝露を包括的に評価する。また、金属を細胞内に取り込むトランスポーターに着目し、消化管吸収モデル細胞を用いて、アルミニウムおよびキレート体の吸収特性を評価する。
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研究成果の概要 |
本研究ではキレート形成に起因する薬物相互作用に伴う金属カチオンの吸収変動について、ラットを用いて評価した。ラット小腸を用いた反転腸管法による検討において、アルミニウムの消化管吸収は、代表的なニューキノロン系抗菌薬であるシプロフロキサシンの併用により増大した。一方、ラットを用いた薬物動態試験において、マグネシウムの消化管吸収はシプロフロキサシンの併用により低下した。以上より、生体レベルにおいても抗菌薬併用時に金属カチオンの吸収が変動することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニューキノロン系抗菌薬併用時の金属カチオンの吸収変動について評価した研究は、本研究が初めてである。アルミニウムは過剰摂取するとアルツハイマー病などの神経変性疾患につながるといわれている。本研究により、生体レベルにおいても、代表的なニューキノロン系抗菌薬であるシプロフロキサシンの併用により、アルミニウムの消化管吸収が増大することが示された。これは、体内へのアルミニウムの吸収が増大するリスクについて、臨床現場への注意喚起につながる実用的な知見であると考える。
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