研究課題/領域番号 |
20K16096
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 (2021) 大阪薬科大学 (2020) |
研究代表者 |
孫 紅キン 大阪医科薬科大学, 薬学部, 特任研究員 (20773542)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ヒト脂肪幹細胞 / エンドサイトーシス / 細胞医薬 / 薬物キャリア / アドリアマイシン / 腎障害 / 尿中アルブミン / アルブミン / PLGAナノ粒子 / 脂肪幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、再生医療および細胞医薬としても、その大きな可能性を秘めている間葉系幹細胞の一つである脂肪幹細胞を用い、これまでに本細胞では十分に解析がなされていないエンドサイトーシス特性を詳細に解析し、その特性を利活用してより最適な薬物キャリアを開発する。これまでにヒト脂肪幹細胞におけるエンドサイトーシス特性を詳細かつ系統的に解析された研究は知る限り報告されておらず、そのことについて解析を行う本研究には学術的独自性がある。また、そのエンドサイトーシス特性を利用し制御することで、脂肪幹細胞に搭載する薬物の封入率を高めるともに細胞内滞留性を向上させることも期待できることから、その創造性と発展性がある。
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研究成果の概要 |
本研究ではヒト脂肪幹細胞におけるエンドサイトーシス輸送を解析した。脂肪幹細胞におけるFITC-albumin取り込みは温度/時間依存性を示し、代謝阻害剤、微小管・アクチン重合阻害剤、クラスリン/カベオリン依存性阻害剤、クラスリン重鎖/カベオリン-1ノックダウンによって低下したことから、脂肪幹細胞はアルブミンをクラスリンとカベオリンの両方に依存したエンドサイトーシス経路によって取り込むことが示された。PLGAナノ粒子取り込み効率は添加量の39%に達した。アドリアマイシン誘発腎障害マウスにおける脂肪幹細胞投与の影響を調べた結果、アドリアマイシン投与によって上昇した尿中アルブミンは低下傾向を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂肪幹細胞は組織修復作用を有するとともに、障害組織に集積する特性を有し、組織保護作用を有する薬物を搭載する薬物キャリアとしての有用性が注目されている。その一方、薬物の構造や物性に依存しない薬物封入方法の開発とその効率の向上は重要な課題である。そこで、本研究では、高分子や微粒子を細胞内に取り込むエンドサイトーシス(膜動輸送)特性を利用することが有用な薬物の封入方法になりうると考え、十分に解明されていない脂肪幹細胞における膜動輸送を明らかにし、細胞医薬と薬物キャリアの両方の役割を兼ね備えた脂肪幹細胞の最適化につなげる基礎的知見を得ることが有用な学術的意義になると考えて本研究を行うこととした。
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