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鼻腔内投与によるオキシトシンの脳内送達ー脳脊髄液の循環と脳内動態制御の可能性ー

研究課題

研究課題/領域番号 20K16098
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分47060:医療薬学関連
研究機関神戸薬科大学

研究代表者

田中 晶子  神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (30824320)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード鼻腔内投与 / 脳内送達 / Glymphatic system / oxytocin / 自閉症治療 / Oxytocin / Glymphatic System / オキシトシン
研究開始時の研究の概要

Oxytocin (OXT) はアミノ酸 9 個からなるペプチドホルモンであり、視床下部で合成され脳下垂体後葉から分泌される。中枢神経系では神経伝達物質として機能し、愛情や信頼に基づく良好な人間関係を構築する生物学的基盤として重要であることが明らかとなっており、近年 OXT は ASD に対する治療薬としての期待が高まっている。しかし、ペプチドの脳移行は血液脳関門により厳しく制限されているため OXT を効率よく 脳内送達可能な DDS の開発が望まれる。本研究では、脳脊髄液の循環を制御することにより OXT の効率的な脳送達システムを構築し、ASD 治療におけるその有用性を検証する。

研究成果の概要

本研究は、脳細胞外液の流れ(Glymphatic System, GPsys)を制御することによりoxytocin(OXT)の鼻腔内投与後の脳送達効率を改善するDDS製剤を開発することを目的とした。AQP4阻害剤と報告のあるacetazolamide(AZA)をOXTと鼻腔内投与することにより、OXTの血中に対する脳内AUC比が、OXT単独投与群と比較して高値を示した。また、AZA投与により、AQP4の発現量の変化及び脳脊髄液(CSF)量の減少が観察され、AZAがGPsysに影響を及ぼしている可能性が示唆された。以上より、OXTの脳内送達に対してGPsysの影響が大きい可能性が示唆された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

脳細胞外液の流れであるGlymphatic System (GPsys) が提唱され、薬物の脳移行経路にはGPsysの関与の可能性が指摘されているが、その影響は評価されていないのが現状である。本研究は、その情報を基盤とする鼻腔内投与型DDS開発を目的とし、OXTによる自閉症スペクトラム障害 (ASD) 治療に対して、画期的な治療システムを提唱できる可能性が高い。また、本研究はASD治療法の開発にとどまらず、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患などの脳疾患を対象としたペプチド・タンパク性医薬品による新規治療法の開発に大きく貢献できるものと考える。

報告書

(5件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 学会発表 (12件)

  • [学会発表] Oxytocin鼻腔内投与後の脳内動態に対するGlymphatic Systemの影響2024

    • 著者名/発表者名
      曹 昌雄、田中晶子、森崎桃子、勝見英正、岩永一範、古林呂之、坂根稔康
    • 学会等名
      日本薬剤学会第39年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Oxytocin鼻腔内投与後の脳移行特性ーGlymphatic Systemの影響ー2024

    • 著者名/発表者名
      田中晶子、曹 昌雄、勝見英正、古林呂之、坂根稔康
    • 学会等名
      第40回 日本DDS学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Oxytocin鼻腔内投与後の脳移行に対するGlymphatic Systemの影響2023

    • 著者名/発表者名
      田中晶子、曹 昌雄、勝見英正、山本 昌、古林呂之、坂根稔康
    • 学会等名
      第39回 日本DDS学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 鼻腔内投与後の薬物の脳内移行性:Microdialysis法による評価2022

    • 著者名/発表者名
      山添穂幸、田中晶子、井上大輔、古林呂之、坂根稔康
    • 学会等名
      日本薬剤学会第37年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 鼻腔内投与によるoxytocinの脳内送達-Glymphatic systemの影響-2022

    • 著者名/発表者名
      田中晶子、谷口貴子、西野真由、井上大輔、勝見英正、山本 昌、古林呂之、坂根稔康
    • 学会等名
      第38回日本DDS学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 鼻腔内投与によるOxytocinの脳への移行と移行後の脳内動態2021

    • 著者名/発表者名
      田中 晶子、越路 亜莉紗、井上 大輔、古林 呂之、坂根 稔康
    • 学会等名
      日本薬学会第141年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 鼻腔-脳間の直接的な薬物移行機構の解析:投与部位と脳内濃度との関係2021

    • 著者名/発表者名
      田中 晶子、佐野 綾香、井上 大輔、古林 呂之、坂根 稔康
    • 学会等名
      日本薬剤学会第36年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 鼻腔内投与された Oxytocin の脳内移行特性2021

    • 著者名/発表者名
      越路 亜莉紗、田中 晶子、井上 大輔、勝見 英正、山本 昌、古林呂之、坂根 稔康
    • 学会等名
      第37回日本DDS学会学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 鼻腔内投与後の脳への薬物移行:投与剤形と薬物物性との関係2020

    • 著者名/発表者名
      秋村夏花, 田中晶子, 井上大輔, 古林呂之, 坂根稔康
    • 学会等名
      第 36 回日本 DDS 学会学術集会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 鼻腔より直接脳内へ移行した薬物の脳内動態2020

    • 著者名/発表者名
      西川絵理, 田中晶子, 山本友里, 濱谷涼花, 井上大輔, 古林呂之, 坂根稔康
    • 学会等名
      第 36 回日本 DDS 学会学術集会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 鼻腔内投与後の脳への薬物移行機構の解析:脳内移行の左右差2020

    • 著者名/発表者名
      田中晶子, 佐野綾香, 井上大輔, 古林呂之, 坂根稔康
    • 学会等名
      第 36 回日本 DDS 学会学術集会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 鼻腔内投与によるペプチドの脳内送達:鼻腔から脳への移行機構と移行後の脳内送達2020

    • 著者名/発表者名
      田中晶子, 井上大輔, 古林呂之, 坂根稔康
    • 学会等名
      第 36 回日本 DDS 学会学術集会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2025-01-30  

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