研究課題/領域番号 |
20K16101
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
山下 郁太 福岡大学, 薬学部, 助教 (90823964)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | パクリタキセル / 末梢神経障害 / mitofusin 2 / Mitofusin2 / Mitofusin 2 / 軸索 |
研究開始時の研究の概要 |
タキサン系抗がん剤パクリタキセルは、高頻度でしびれや痛みといった末梢神経障害を引き起こし、がん治療を困難にしている。しかし、この末梢神経障害は発現する機序が明らかとなっていないため、対処法がない。一方で申請者は、パクリタキセル誘発性末梢神経障害モデルラットの解析から、遺伝性末梢神経障害Charcort-Marie-Tooth病の原因遺伝子mitofusin 2(Mfn2)の発現量が低下することを発見した。このことから、Mfn2がパクリタキセルによる末梢神経障害に関与する可能性を見出した。本研究の目的は、Mfn2に着目したパクリタキセル誘発性末梢神経障害の機序解明および治療法の探索である。
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研究成果の概要 |
Mitofusin 2(Mfn2)に着目したパクリタキセル(PTX)誘発性末梢神経障害の機序解明および治療法の探索を行った。PTXはラット脊髄後根神経節由来細胞×マウス神経芽細胞腫ハイブリドーマF11細胞に対して神経突起伸長阻害とMfn2発現量の低下を引き起こした。しかし、MFN2の発現量低下が神経突起伸長阻害に関与するかは明らかにすることはできなかった。さらに、治療候補薬として想定したBAPTA-AMやシクロスポリンAはPTXによる神経突起伸長阻害とMfn2の発現量低下には無効であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PTXは培養細胞に対して神経様突起伸長阻害とMfn2の発現量低下を引き起こした。このことは、PTX誘発性末梢神経障害モデルラットで起きた現象を細胞実験で模倣可能である事を示唆する。よって本結果は、培養細胞がPTX誘発性末梢神経障害における病態解明や治療候補薬スクリーニングに有用である事を示唆している。今後、PTXによるMfn2発現量低下と神経障害との関係と明らかにすることで、新たな治療・予防法の確立につながると考えれられる。
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