研究課題/領域番号 |
20K16111
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
小林 しおり 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 特命助教 (60747905)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 抑制性神経細胞 / グリシンニューロン / GABAニューロン / 抑制性ニューロン / 神経の発生 / 遺伝子改変マウス / GABA / Glycine / VGAT / development |
研究開始時の研究の概要 |
主要な抑制性伝達物質であるGABAとグリシンは、異なる働きを持つことが明らかになってきた。また、GABA及びグリシン作動性神経終末の脊髄における発生についてもその時期が異なることが示されてきたが、不明な点が多い。そこで、本研究では、トランスジェニックマウスの作成し、GABA及びグリシンニューロンを可視化するという手法を用いて、生命維持活動に必須の領域である脳幹におけるこれらのニューロンの発生・移動を詳細に調べ、抑制性神経回路の発達過程を明らかにする。
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研究成果の概要 |
脳の情報を伝える神経伝達物質には興奮性と抑制性がある。抑制性伝達物質としてγ-アミノ酪酸(GABA)とグリシンが知られている。本研究ではその中でも成体の脊髄と脳幹において主要で、知見の少ないグリシン作動性ニューロンに焦点を当て、抑制性ニューロンが胎生初期から生後にかけてどのように分化し移動するのか調べた。GEPとtdTomato2つの蛍光タンパク質を用いて、GABAニューロンとグリシンニューロンを別々の色で可視化することで、これらのニューロンの胎生期から出生後にかけての発生・移動を調べた。その結果、GABAニューロンは胎齢10日目から、グリシンニューロンは胎齢12日目から現れることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グリシンニューロンに関して、その細胞体がどこから発生するのかなど詳細な情報はこれまで得られていなかった。本研究では、個々の細胞を可視化することで発達に伴う細胞分化と移動を調べるという点で、抑制性神経の研究に貢献した。また、GABAとグリシンは単なる抑制性伝達物質というだけでなく、呼吸機能や神経再生などに も重要な役割を担っていることが近年明らかになってきた。このようなGABAとグリシンニューロンの起源を探り、その相互関係を追うことは、非常に意義深い。
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