研究課題/領域番号 |
20K16115
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 絢 北海道大学, 医学研究院, 博士研究員 (90854662)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | エンドサイトーシス / ミトコンドリア / 細胞内シグナル伝達 / 蛍光イメージング / オルガネラ間相互作用 / PI3K / VDAC2 / オプトジェネティクス / オルガネラゾーン / 蛍光バイオイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ミトコンドリア-エンドソーム間相互作用によるエンドソーム成熟化促進の分子メカニズムを明らかにし、このオルガネラ間相互作用の生理的意義を解明するものである。近年、異なるオルガネラ同士の相互作用により発揮される細胞生理機能が注目を集めている。申請者らは最近、ミトコンドリアとエンドソームの直接的な相互作用がエンドソームの成熟化を促進することを見出した。これまでに得られた知見と予備データから、ミトコンドリアからエンドソームへの物質供給によりエンドソーム成熟化が促進されるとの着想に至った。本研究では蛍光バイオイメージングにより上記の仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
低分子量GTP結合タンパク質Rasの下流でクラスリン非依存性エンドサイトーシスを制御するphosphoinositide 3-kinase (PI3K) の結合因子としてvoltage-dependent anion channel 2 (VDAC2) を同定した。VDAC2はEGF刺激依存的にRas-PI3K複合体陽性エンドソームをミトコンドリアに繋留し、エンドソームの成熟化を促進することを明らかにした。光遺伝学法によるオルガネラ間相互作用の誘導実験により、VDAC2は相互作用を形成する構造的な役割に加えて、VDAC2自身もエンドソームの成熟化を促進する機能を有することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
正常な細胞機能に重要なオルガネラは、その破綻により多くの疾患の原因にもなり得る。ミトコンドリアやエンドソームの機能障害が関連する疾患はパーキンソン病、アルツハイマー病、がんなど多岐にわたり、未だ発症機序が不明な疾患も多く存在する。本研究によりミトコンドリアとエンドソームの相互作用により発揮される新たな機能が明らかにされたことから、異種オルガネラ間相互作用という新しい視点から、疾患の原因解明や新たな治療法の開発に繋がることが期待される。
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