研究課題/領域番号 |
20K16119
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
朝野 泰成 九州大学, 大学病院, 助教 (30572945)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / カテコラミン / ドーパミン / ストレス / 腸内細菌 / 心身症 |
研究開始時の研究の概要 |
1970年代以降、先進国をはじめ日本においても、潰瘍性大腸炎患者が急増しており、社会的にも大きな関心を集めている。 国から特定疾患としても認められている難病であり、早期診断・治療・予防法の開発が急務とされているが、その病態は十分に解明されてはおらず、完治への治療法は確立されてはいない。 本研究では、腸管内において腸内細菌が生成するカテコラミン 、特にドパミンに焦点を当て、動物実験モデルを通じて、潰瘍性大腸炎の病態機序を解明し、その治療法の開発に資する重要な知見を得ることを目的としている。
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研究実績の概要 |
1970年代以降、先進国をはじめ日本においても、潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis:以下UCと略)患者が急増しており、社会的にも大きな関心を集めている。国から特定疾患としても認められている難病であり、早期診断・治療・予防法の開発が急務とされているが、その病態は十分に解明されてはおらず、完治への治療法は確立されてはいない。 本研究では、腸管内において腸内細菌が生成するカテコラミン(catecholamine:CA)、特にドパミン(Dopamin:DA)に焦点を当て、動物実験モデルを通じて、UCの病態機序を解明し、その治療法の開発に資する重要な知見を得ることを目的としている。 UC は、腸管粘膜における免疫寛容の破綻がその本態と考えられているが、自然免疫に関与する粘膜バリア機能の破壊が、その病態の解明にきわめて重要な視点となる。そこで、「腸管管腔内のDAが、バリア機能の維持に不可欠であり、腸内細菌の変化により、DAの生成が減少し、バリア機能が破綻する」との仮説のもと に以下の研究を行っている。 研究計画にそって課題①(腸管粘膜破綻におけるDAの保護的作用の証明とその機序の解明)と課題②(UCの動物モデルにおける腸管管腔内のDAの測定と腸管管腔内のDAを増やす薬剤投与によるUC改善の検討)を行っている。 課題①の実験でのDSS(デキストラン硫酸)下での実験操作が難しく、設定条件を変えるなどの工夫を継続しを行っている。課題②は、T-bet-/-Rag2-/-(TRUC)マウスを用いる予定であったが、世界的なCOVID-19の流行のもと入手が困難となった。よってそれに代わる国内で入手可能なUCモデルマウスを調査しており、前述のDSS腸炎モデル、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)腸炎モデルなども試している。あわせて、自然発症腸炎モデルやその他のモデルでも行うことを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
DSS下での操作の困難やUCモデルマウスの入手困難などが主な理由である。条件を変えながらこの操作系の確立を目指し、課題①では、腸管粘膜透過性の測定をしつつ、上皮細胞間密着結合関連分子の発現の変化を見る予定である。課題②では、UCモデルマウスの再選定を行い経口DAプロドラッグを用いて、実験を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新しく選定したUCモデルマウスを用いて研究計画に沿って実験を進めていく方針である。なお、物品の購入に関しては、計画を事前に吟味し、無駄を省く努力をする。
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