研究課題/領域番号 |
20K16125
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
中島 明子 久留米大学, 医学部, 助教 (40867024)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | cAMP / オルソログ / バイオインフォマティクス / HCNチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
近年は、一個体の全遺伝情報に相当する数十億もの塩基配列からなるゲノムDNAをわずか2日で解析することが可能である。しかし、遺伝子から作られたタンパク質の機能には、未知のことが多い。とくに構造から機能を特定する方法論がない。 本研究では、加速度的に蓄積されている多様な生物ゲノム情報に視点を移して、「異種間にもかかわらず変異が起こりにくいタンパク質の構成部位」を数値化する。 本研究により、タンパク質の機能を実験的に探索することが可能になることを期待する。
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研究実績の概要 |
理論的リバースジェネティクスは、生物進化におけるアミノ酸配列のバリエーションについて変異分布関数(積率母関数数)の2次モーメントを利用する。2次モーメントは数学的には分散に相当する項目で、変異の平均頻度(1次モーメント)では表しきれない「変異のしやすさ」の指標である。この項目を「変異アミノ酸種x生物種の和」として離散的な代数和で表現することで、計算の簡略化を試みた。実際に、cAMP関連タンパク質であるHCNチャネルに適用したところ、HCNチャネルのcAMP結合ドメイン、電位依存性ドメイン、さらにPIP2結合部位など複数にわたる既知の機能ドメインを明確にラベルすることに成功した。さらに、このBioinformatics計算法(Phylogenetic kinetic value法:PKV法)を、cAMP関連タンパク質OMPに適用したところ、OMPの内部にカルパインファミリーの切断サイトを見つけた。OMPはCAPN5では切断されなかったが、CAPN5以外のCAPNによって切断される可能性を見出した(Mol. Brain, 2022)。またOMPには、高度に保存されたロイシンリッチ領域があることも突き止めた。ロイシンリッチ領域は他のタンパク質において核外輸送シグナル(NES)として知られている。ロイシン部分をアラニンへ変異させたアラニン変異型OMPを作成し、HEK293T細胞に発現させた。すると、アラニン変異型OMPは野生型OMPに比べて核に存在する割合が増加し、ロイシンリッチ領域がNESとして機能することを突き止めた(Mol. Brain, 2022)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論的リバースジェネティクスの定式化に成功し、HCNで既知の機能ドメインを標識することが可能であることが分かった。さらに、多くの生理機能が未知であるOMPに適用することで、あらたに二つの機能ドメインを発見することに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、HCN、OMPおよびその他の研究対象分子にも適用を広げ、PKV法の汎用性を明らかにするとともにピンポイントで変異実験を可能とする理論的リバースジェネティクスの手法の確立をさらにすすめる。
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