研究課題/領域番号 |
20K16127
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
八子 英司 公益財団法人東京都医学総合研究所, 疾患制御研究分野, 研究員 (00768880)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 外因性ピルビン酸 / TCAサイクル / 解糖系 / 高グルコース / 細胞死 / ピルビン酸 / PARP / クエン酸回路 / 糖代謝 / ATP |
研究開始時の研究の概要 |
ピルビン酸は代謝やストレス応答など恒常性の維持に重要である。申請者は、「高グルコース・外因性ピルビン酸欠乏環境下に細胞を暴露することにより24時間以内に著しい細胞死が誘導される」ことを見出した。その機序はグルコース代謝異常によるATP量低下によると推察された。しかしながら、その分子メカニズムは未だ不明な点が多い。本研究では、この細胞死における分子レベルのグルコース代謝の制御機構を解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
高グルコース・外因性ピルビン酸欠乏環境下で誘導されるマウスシュワン細胞株IMS32の細胞死の機序を解析した。同環境下において、(1) GAPDH、ATF4のポリADPリボシル化の増加は確認されなかった、(2) 統合的ストレス応答の阻害剤ISRIBを投与しても細胞死は抑制されなかった、(3) AIFの核内移行やCaspase 3/7の活性化は見られなかった、(4) PDH活性は有意に減少していた。これらのことから、本細胞死はATF4の経路は介さず、ネクローシス様の経路により生じていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性神経障害は糖尿病慢性合併症のうち最も早期に出現し、その頻度も高いと推定されている。しかしながら、成因に基づいた効果的な治療法は乏しく、血糖コントロールに勝る治療はない。糖尿病モデル動物にピルビン酸を投与すると網膜症、腎症を改善することが報告されている。本研究結果から、高グルコース環境において、ピルビン酸は末梢神経を構成するシュワン細胞の機能維持に重要であることが示唆され、糖尿病性神経障害の新規治療薬としての有用性が期待される。
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