研究課題/領域番号 |
20K16131
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森田 将史 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60817659)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | SLE / Lupus nephritis / Autoimmunity / Autoantibody / 145-2C11 / Fc region / NZB/W F1 / lupus nephritis / autoimmunity / autoantibody / TCR / 抗CD3抗体 / Fc不活化抗体 / T細胞受容体 / TCR発現量低下 / 抗CD3ε抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトへの治療薬として初めて開発されたモノクローナル抗体である抗CD3ε抗体(OKT3)は移植拒絶症例や自己免疫疾患症例に一定の成果を挙げたが、これが自己免疫反応を抑制する機序はいまだ完全に明らかにはされていない。我々は本研究においてOKT3抗体と同等の活性を有すると考えられる抗マウスモノクローナルCD3ε抗体 (145-2c11)およびFc鎖のレセプター結合能および補体活性化能を喪失したサイレントCD3ε抗体 (2c11 silent)を使用し、抗体投与により生じるT細胞受容体シグナリングを解明し自己免疫疾患抑制との関連性を考察する。
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研究成果の概要 |
各抗体を単回投与した解析ではFc不活化CD3抗体(2C11S)の方が非不活化CD3抗体(2C11C)よりもTCR発現量を長期間減少させた。また2C11S、2C11Cはともに末梢血T細胞を一時的に消失させたが、2C11Sは接着分子を介したTrappingによる見かけ上のT細胞数減少を引き起こし、2C11Cはマクロファージ/単球によるT細胞貪食を誘導することが示唆された。またCD3抗体は既報で示唆されるアナジーやアポトーシスを誘導せず、2C11Sの免疫抑制作用はTCR発現量減少が主な機序であると考えられた。NZB/W F1マウスに各抗体を投与すると2C11S群で自己抗体価低下、腎炎改善を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Fc不活化を施すことで副作用を低減したCD3抗体が近年臨床試験で用いられ、例えばⅠ型糖尿病患者の発症を遅延させるなどの成果が報告されている。しかしそのFc不活化CD3抗体自体の活性、免疫抑制機序が曖昧であることを理由に、いまだFDAの承認を受けられていないのが現状である。今回の我々の研究で得た結果は、Non-mitogenic Fc silent CD3抗体による免疫抑制作用が、TCR発現量減少を主な機序としていることを示唆しており、その作用がループスを軽減しうると考えられた。
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