研究課題/領域番号 |
20K16132
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山田 憲明 大阪大学, 国際共創大学院学位プログラム推進機構, 特任助教(常勤) (40850144)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | イオンチャネル / 遺伝性不整脈 / 遺伝子変異 / カリウムチャネル阻害薬 / ゲノム解析 / 遺伝性徐脈性不整脈 / イオンチャネル病 / 特異的阻害薬 / 薬理学的解析 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝性徐脈性不整脈は、先天的に徐脈を呈する家系において見いだされた遺伝性の不整脈であり、心臓の器質的疾患や加齢変性による徐脈性不整脈とは異なり、若年期に発症をきたす。 心臓アセチルコリン感受性カリウムチャネル(KAChチャネル)は、副交感神経刺激時に開口し、Kイオンが細胞外へ流出することにより心拍数を減少させる生理作用を有する。KAChチャネルおよびその活性化に関連する遺伝子の先天的な変異によって徐脈性不整脈を発症することが報告されている。 本研究は、KAChチャネルを低濃度で選択的に遮断する化合物が種々の遺伝子変異型チャネルに対して有効かを解析し、徐脈性不整脈の新規治療法となり得るかを検討する。
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研究成果の概要 |
心臓アセチルコリン感受性カリウムチャネル(KAChチャネル)は、副交感神経刺激時にKイオンが細胞外へ流出することで心拍数を減少させる生理作用を有する。KAChチャネルおよびその活性化に関連する遺伝子の先天的な変異によって徐脈性不整脈を来すことが知られている。 本研究は、これらの遺伝子群の種々の変異について、選択的KAChチャネル阻害薬の薬理解析を細胞実験で行い、変異によりチャネル電流が異常増加することで徐脈性不整脈を発症するKAChチャネル病に対する新規治療法の可能性について検討した。本化合物は野生型のみならず、変異型チャネルに対しても阻害効果を認め、有効な新規治療薬になり得ることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
選択的KAChチャネル阻害薬が、変異によりチャネル電流が異常増加することで徐脈性不整脈を発症するというその病因が明確であるイオンチャネル病に対して、病態機序に基づいた新規の分子特異的治療薬となり得ることを示した。 これまで遺伝性徐脈の原因分子を標的とした治療薬はなく、一般の徐脈性不整脈に対する治療と同様、心臓ペースメーカー治療に頼らざるを得ないのが現状である。既存の不整脈病名と診断されたものの遺伝子解析が行われていないKAChチャネル病の患者が国内外で潜在的に存在すると予想され、ペースメーカー植え込み手術の代替となる新たな治療法になり得る可能性があり、今後の研究開発につなげていく必要がある。
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