研究課題/領域番号 |
20K16134
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
齊藤 弘樹 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80747478)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド / PACAP / PAC1受容体 / PAC1受容体拮抗薬 / 非ペプチド性拮抗薬 / 化学療法誘発性末梢神経障害 / オキサリプラチン / 冷アロディニア / 末梢神経障害 / 疼痛 |
研究開始時の研究の概要 |
オキサリプラチン(OXA)は大腸がんに対する抗がん剤であり、末梢神経障害が有害作用として問題視されているが、現在まで有効な治療・予防法はない。そこで本研究では、1) OXA投与マウスにおけるPACAPやPACAP受容体等の発現動態を解析する、2) PACAP欠損および各種PAC1受容体欠損マウスにおけるOXA誘発疼痛様行動を検討する、3) さらに霊長類コモンマーモセットを用い、OXA誘発疼痛様行動に対するPAC1受容体拮抗薬の効果を確認することなどを通じて、PACAP-PAC1受容体システムがヒトにおけるOXA誘発末梢神経障害の病態へも関与し得るか、検証する。
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研究成果の概要 |
オキサリプラチン(OXA)は大腸がん化学療法に用いられ、これに伴う末梢神経障害は高頻度に発現する副作用であるが、投与回数増加により慢性化し、生命予後不良につながる。しかしながら、これまで有効な治療・予防法はない。当研究室では、Pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP) およびその受容体PAC1が疼痛の慢性化に重要であることを明らかにしたことから、我々は新たなPAC1受容体小分子拮抗薬を創製した。本研究では、新規PAC1受容体拮抗薬の1種PA-810-04はOXA誘発末梢神経障害性疼痛に有効であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成人の慢性疼痛保有率は世界的に近年増加傾向であり、疼痛領域の市場規模は世界医薬品市場においても、がん、糖尿病、免疫に続く第4位の市場規模 (2021年は約8兆円) となっている。世界的ながん、糖尿病患者数の増加、および人口の高齢化は、疼痛の中でも難治度の高い神経障害性疼痛保有率を増加させており、有害作用がなく、長期使用可能な鎮痛薬の開発が求められている。本研究成果は、疼痛発症予防に臨床的な有用性を一貫して示した鎮痛薬が未だ存在しない「がん化学療法に伴う末梢神経障害性疼痛 (CIPN)」に対するFirst-in-classの鎮痛薬開発の端緒となることが期待される。
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