研究課題/領域番号 |
20K16141
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
小林 翔 山形大学, 農学部, 准教授 (10779490)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | グルタチオン代謝 / フェロトーシス / システイン供給経路 / システイン再利用経路 / フェロトーシス細胞認識抗体 / フェロトーシスを制御する食品由来成分 / システイン / 機能性成分 / グルタチン / グルタチオン / CNDP2 / γグルタミルペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
活性酸素種の消去を担うグルタチオン(GSH)が枯渇すると細胞はフェロトーシスにより死滅する。GSHの代謝過程ではシステイニルグリシン(Cys-Gly)やγグルタミルペプチド(γGlu-Pep)類といったジペプチド生じるがこれらの生理機能は十分に解明されていない。本研究では、フェロトーシスに焦点を当て、遺伝子改変マウスや培養細胞を用いてCys-Gly分解酵素であるCNDP2の役割の解明およびγGlu-Pep類の生理機能の解明を目的とし、フェロトーシスに関連する疾患の治療や創薬への礎とする。
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研究成果の概要 |
本期間中に行った研究とその成果は次の通りである。1)新規フェロトーシス抑制遺伝子のCNDP2を欠損するマウスをゲノム編集を用いて樹立した。CNDP2欠損マウスは、アセトアミノフェン誘導性肝障害に脆弱であり、生化学的および組織学的解析によってより重篤な肝障害と腎障害が認められた。2)フェロトーシス細胞を直接判定する方法の開発のため、既存の脂質過酸化反応マーカーである4-HNE認識抗体よりも特異性の高いフェロトーシス細胞認識ラットモノクローナル抗体の作出に成功した。3)食品等からフェロトーシスを制御する食品由来成分の探索を行った所、ニンニクおよび黄柏抽出物にフェロトーシスを抑制する効果を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により樹立したCNDP2欠損マウスを用いて解析を行うことで、グルタチオンの分解を介したシステイン再利用経路の生理機能を解明することは、抗がん剤耐性を持つ癌を標的とした新たな治療薬の開発にもつながると考えている。また、本研究により作出したフェロトーシス認識ラットモノクローナル抗体は、フェロトーシスの分子機構や各種の病態におけるフェロトーシスの関与を解明するツールとして有用であると考えられる。
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