研究課題/領域番号 |
20K16152
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2022-2023) 東北大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
谷貝 知樹 名古屋大学, 環境医学研究所, 特任講師 (50868669)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肝臓 / 脂質代謝 / PPARa / NASH / エクソソーム / 脂肪肝 |
研究開始時の研究の概要 |
近年先進国では糖尿病や脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの生活習慣病の患者増加が社会問題となっている。本研究では様々な生理的役割が近年明らかとなりつつある細胞外小胞(エクソソーム)と、肝臓での糖・脂質代謝の関係について解析する。特に肝臓での糖・脂質代謝の主要制御因子であるPeroxysome proliferator-activated receptor alpha (PPARα)が制御するエクソソームの定量的・定性的な解析を行う。これによりエクソソームが糖尿病や脂肪肝、NASHに対する診断・治療標的となる可能性を探索する。
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研究成果の概要 |
本事業では4年間の助成期間で、肝脂質代謝主要制御因子PPARαが間接的に制御していると予測された炎症性の細胞外小胞の性質と生理的機能に注目し解析を行なった。マウス初代培養肝細胞に対してPPARαを活性化させ、細胞外小胞を回収し、骨髄由来マクロファージ等に添加し炎症の惹起を解析した。また、PPARαが転写制御する細胞外小胞分泌の調節因子を解析するため、当該調節因子の遺伝子座におけるPPARα結合モチーフを欠損したノックアウトマウスを作製し解析した。これにより肝臓におけるNAFLD/NASH増悪化におけるPPARαを介した増悪化メカニズムを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本事業は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の増悪化因子と考えられる細胞外小胞の分子基盤を明らかにする研究である。近年NAFLDは我が国で健康診断を受診する患者の3割が罹患している疾患であり、NAFLD患者の2割は慢性炎症を伴った状態であるNASHである。非常に膨大な患者数が存在するにもかかわらず、NAFLDがどのようにNASHへと増悪化するのか分子メカニズムについては不明な点が多く残されている。本事業では細胞外小胞がこの病態の増悪化に関わる可能性を示すことで、治療標的としての可能性を見いだした。
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