研究課題/領域番号 |
20K16158
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
中西 尚子 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (40843446)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | microRNA / miR23b / インスリン抵抗性 / 内臓脂肪 / 糖代謝 / 糖代謝異常 / 高脂肪食 / サルコペニア / 筋糖代謝障害 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋萎縮・サルコペニアがおこると、筋インスリン抵抗性により糖尿病の病態が悪化する。申請者らは、臨床研究で「サルコペニア合併糖尿病患者血清ではcirculating miR-23bの存在比率が上昇していること」を見出し、in vitroの実験系で「miR-23bの遺伝子導入により骨格筋の筋タンパク質合成が亢進し糖取り込みが亢進する」という知見を得ている。本研究においては、骨格筋特異的miR-23b欠損マウス(コンディショナルノックアウトマウス)を作成し、骨格筋糖代謝に及ぼす miR-23bのin vivoでの作用機序を解明し、miR-23bが筋糖代謝改善薬の候補となるか否かを検証する。
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研究成果の概要 |
筋糖代謝障害は糖尿病の治療標的となる。MicroRNA-23bがin vitroで筋糖代謝改善作用を有するという先行知見に着目し、本研究ではin vivoにおける骨格筋miR-23bの糖代謝制御機構の解明を目的に、Myf5CreERとMir23btm1Mtm/Mmjaxを掛け合わせた骨格筋特異的miR-23b欠損マウス(Myf5cre Mir23bf/f)を作成した。高脂肪食を6週間給餌したところ、Myf5cre Mir23bf/fマウスではコントロールマウスと比べ、骨格筋重量には差は認めなかったが、体重増加に抵抗性を認め、内臓脂肪量低下と糖代謝改善、インスリン抵抗性の有意な改善を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核酸医薬品microRNAは、近年特に抗悪性腫瘍の分野で開発がすすみ、ドラッグデリバリーシステムの改良とともに更なる発展が期待される医薬品である。本研究で骨格筋特異的MicroRNA23bの低下マウスにおいて、内臓脂肪蓄積が抑制されインスリン抵抗性が改善していたという結果は、分泌型microRNAの低下を介していた可能性がある。MiR23bは、骨格筋だけでなく膵β細胞や脂肪細胞における役割も報告があり、多彩な作用があると考えられる。本研究でin vivo における骨格筋miR23bの低下がもたらす全身性の糖代謝変化を確認できたことは意義がある。
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