研究課題/領域番号 |
20K16159
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
新田 昂大 東北医科薬科大学, 薬学部, ポスト・ドクター (30847976)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 糖尿病性腎症 / スフィンゴ糖脂質 / 炎症反応 / マクロファージ / 炎症性細胞死 / ガラビオシルセラミド / 慢性炎症 / Globoside / Glycosphingolipids / レプチン / 1型/2型糖尿病 / Gal2Cer / Galabiosylceramide |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪細胞から分泌されるレプチンは、多くの生理活性をもったアディポサイトカインである。内臓脂肪蓄積(メタボリックシンドローム)により、レプチンの産生・分泌は増加し、高レプチン血症状態が誘起され、脂質異常症や糖尿病などの病態形成に関与することが分かっている。これまでに申請者は、レプチンが腎臓のスフィンゴ糖脂質発現誘導に関与していることを見出している。腎臓における糖脂質発現変化は、糖尿病性腎症病態において、マクロファージの活性化促進に寄与することが分かっている。本研究により、レプチンによる腎臓の糖脂質発現誘導メカニズムを明らかにすることで、糖尿病性腎症の病態形成に関与する新たな分子機構を提示する。
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研究成果の概要 |
糖尿病性腎症病態において、腎臓で特異的にガラビオシルセラミドという種類の糖脂質が増加する。腎臓における上記糖脂質の増加は、抗肥満ホルモンであるレプチンや、血糖値を下げるインスリンの異常によって引き起こされており、糖尿病に密接に関連していることが強く示唆された。また、増加したガラビオシルセラミドの役割についての解析を行い、免疫細胞であるマクロファージのToll様受容体(TLR4)を介した炎症反応や細胞死を促進していることを明らかにした。ガラビオシルセラミドが炎症反応や細胞死を促進することで糖尿病性腎症の病態の形成や増悪に関与している可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性腎症の病態形成や増悪に、炎症や細胞死が関与することは知られているが、どのような物質がどのようなメカニズムでという部分には、多くの疑問が残されている。本研究では、これまであまりターゲットとされていない糖脂質に着目しその役割を解析し、炎症と細胞死に関与することを明らかにした。つまり、これまで知られていなかった新たなメカニズムと治療標的となりうるターゲットを発見したということであり、今後新たな治療法や治療薬開発につながっていくことが考えられ、QOLを著しく下げる末期腎不全への移行を遅らせられたり、治療が可能となる基礎的データになりうると期待される。
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