研究課題
若手研究
てんかんや小頭症を伴う遺伝性重篤発達障害の原因遺伝子としてユビキチン様修飾システムUFM1システムに関わる複数の遺伝子を特定、UFM1によるタンパク質の修飾障害が遺伝性重篤発達障害を引き起こすことを見出した。本研究課題では、申請者が確立したUFM1活性評価系、質量分析により同定したUFM1の標的タンパク質、作製済みの遺伝子改変マウスを基盤に、UFM1修飾に関わる研究を分子から個体レベルに至るまで包括的に推進し、UFM1システムの作動機構、細胞内制御、生体内生理作用、そしてその破綻と病態発症機構の解明を目指す。
本研究ではUFM1の新規基質CYB5R3の機能解析を行った。mCherry-GFPタンデムタグを使った解析からCYB5R3がUFM1化されると小胞体選択的オートファジーを誘導することを明らかにした。またUFM1化不能CYB5R3ノックインマウスを作製し解析したところ、この変異マウスは小頭症を示した。これらのことからUFM1システムを介した小胞体選択的オートファジー不全がヒト病態に関与していることが考えられる。
てんかんや小頭症を伴なう遺伝性重度発達障害患者からUFM1システム関連遺伝子の変異を特定し、UFM1システムの活性低下により病態を発症することを明らかにしてきた。しかしながら、UFM1の基質が不明であり、病態の発症メカニズムが不明であった。本研究では新たなUFM1の基質を同定し、その機能を明らかにした。この基質自身の変異もUFM1システム関連遺伝子の変異による疾患と同様の症状を示すことが報告されている。本研究で明らかになった分子メカニズムがヒト疾患発症機構の解明や予防機序の解明に役立つことが期待される。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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