研究課題/領域番号 |
20K16183
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
|
研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
赤木 明生 愛知医科大学, 加齢医科学研究所, 講師 (10804239)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | プリオン病 / プリオン仮説 / 非中枢性組織 / 非中枢神経組織 / 三叉神経 / 電子顕微鏡 / プリオン蛋白質 / 末梢神経 |
研究開始時の研究の概要 |
プリオン病は致死性の中枢神経疾患である。異常プリオン蛋白(PrP)が体内に侵入すると、中枢神経内の正常PrPが次々と異常PrPに変換される。そして中枢神経が広汎に障害されて死に至る。しかしプリオン病で異常PrPの伝播がどこまでどのように広がっていくのかは、未だ解明されていない。 プリオン病では発症早期にすでに大脳皮質全体にびまん性に異常PrPの沈着が見られるため、異常PrPの伝播の解明のためには非中枢神経組織に着目する必要があると考えた。本研究では、非中枢神経組織の異常PrPの有無と局在に着目し、ヒトの異常PrPの新しい伝播様式を解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
プリオン病では、発症早期から大脳皮質全体にびまん性に異常プリオン蛋白質(PrP)が沈着している。我々は、非中枢神経組織の三叉神経節における異常PrPの局在の有無を検討し、異常PrPの伝播経路と様式の解明を目指す。対象症例はプリオン病18例である。三叉神経節の神経細胞体内には空胞形成が見られるが、異常PrP沈着は認められない。一方で、三叉神経節の神経線維に異常PrP沈着を認める。今回の結果から、体内で異常PrPが三叉神経では神経線維を通じて伝播している可能性が示唆された。異常PrPは非中枢神経組織にも拡がっている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
異常プリオン蛋白(PrP)が体内に侵入すると、正常PrPが構造変化を起こし異常PrPに変換される (感染性を有するようになる) 。このように蛋白のみで疾患が伝播されることをプリオン仮説と呼ぶ。近年、アルツハイマー病やパーキンソン病でもプリオン仮説が起こり、異常蛋白の分布や広がりが臨床症状と密接に関連し、特定の決まったパターンで空間的に進展することが報告されている。 本研究で、三叉神経線維に沿った異常PrPの沈着を認めた。異常PrPは中枢組織から神経線維を通じて、非中枢神経組織へ拡がっている可能性が示唆される。異常PrPの体内での伝播経路を考える上で貴重な所見を得た。
|