研究課題/領域番号 |
20K16190
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
松村 望 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20729511)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | グリオーマ / 分化階層性 / 表現型 / 形態 / 発生・分化 / 特異的マーカー / グリオーマ細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、グリオーマの形態学的診断の精度向上のため、グリオーマの各組織型に特異性の高いマーカーを確立することを目的としている。このため、グリオーマの発生に重要な遺伝子変異であり、免疫染色を行うことで認識可能なIDH1 R132Hを有する症例を対象として、多重染色を行うことでグリオーマ細胞におけるグリアの発生、分化に関与する転写因子の発現を解析し、グリオーマ組織をグリアの分化段階に準じて階層化することを試み、いずれの発生時期の細胞がグリオーマの発生母細胞となりえるのかを追究し、発生母細胞と推定されるグリア前駆細胞の性質から、特異性の高いマーカーの確立、ひいてはグリオーマの診断精度向上を目指す。
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研究成果の概要 |
グリオーマの形態学的多様性の原因を探るべく、アストロサイトーマおよびオリゴデンドログリオーマにおいて、発生中のグリアの分化に重要な役割を果たす転写因子の発現と、腫瘍細胞の形態との関連性を解析した。その結果、オリゴデンドログリオーマにおいて、アストロサイトへの分化に重要な転写因子を発現する一群では、腫瘍細胞がアストロサイトーマに類似した形態を示し、グリアの分化に関与する転写因子発現と腫瘍形態との間に関連性があることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グリオーマの診断では、その形態学的多様性のため形態学的分類の難しさが指摘されており、近年の遺伝学的研究成果と相まって、病理診断に遺伝子検索が必須となった。しかし、遺伝子検索は全ての医療機関で行えるわけではなく、現状グリオーマの診断精度を保つためにも、形態学的な診断精度の向上は喫緊の課題である。本研究では日常診断業務で使用している解析手法を用いて、グリアの発生分化の観点からグリオーマ細胞の転写因子発現と形態学的特徴との関連性を見出した。本研究成果はグリオーマ細胞の表現型とその形態学的特徴、およびこれに起因する形態学的多様性への理解を深め、グリオーマの形態学的診断の精度向上に寄与する。
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