研究課題/領域番号 |
20K16200
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
山下 高久 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60464749)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | DLBCL / MYC / MAX / 次世代シークエンサー / プロモーター |
研究開始時の研究の概要 |
びまん性大細胞リンパ腫(DLBCL)においてMYCは重要なドライバー遺伝子の一つであると考えられており、MYCの蛋白発現を正確に判定する必要がある。しかしその判定基準は施設間によって統一されておらず、MYC蛋白発現の多寡によるDLBCLの予後への影響については未だ結論付けられていない。そこで本研究では、MYCの会合分子であり、MYCの転写活性を最終調節する分子であるMAXに注目した。MAXはMYC機能促進性に働く一方で、他のMAX familyとともにMYC機能抑制性に働く両面性の機能を有している。つまり、MAX familyの分子動態を調べることで、DLBCLにおけるMYCの機能調節機構の解明につながると考える。
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研究成果の概要 |
本研究ではびまん性大細胞リンパ腫(DLBCL)におけるMYC associated factor X (MAX)によるMYCの調節機構の解明を行った。約160症例のDLBCL症例に対しMYC、MAXの免疫染色を行い、その結果や公共データベース上の遺伝子発現データよりMYCにMAXの解析を加えることでDLBCLの予後の層別化が可能であることを見出した。とくにMYC高発現MAX低発現群では、double hit lymphoma関連分子との関連性がみられ、MYC高発現、MAX低発現はDLBCLの予後不良マーカーとなりうる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではMYCとその関連分子であるMAXを用いてDLBCLの層別化を行い、MYC高発現、MAX低発現症例ではDouble hit signatureとの関連性が高く、予後不良であることを見出した。DLBCLでは網羅的な遺伝子異常や遺伝子発現解析による層別化が現在の研究の中心となっているが、検査が高額かつその結果の解釈に時間がかかり、臨床応用には至っていない。本研究では、MYCとMAXの免疫染色といった安価かつ速やかな方法による予後不良症例の抽出が可能であり、臨床応用されれば社会的な意義は高いものと思われる。
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