研究課題/領域番号 |
20K16216
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
平島 一輝 岐阜大学, 高等研究院, 特任助教 (50826633)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 多発性骨髄腫 / マウスモデル / マイクロRNA / 核酸医薬 / miR-143 |
研究開始時の研究の概要 |
既存治療薬に不応である多発性骨髄腫は全身障害を伴う重篤な症状を来しうるにもかかわらず有効な治療手段が少ない.この薬剤不応性にRAS変異の関与が示唆されているが,RASタンパクは低分子化合物の開発が難しく,多数の代償活性化機構を持つため単独阻害では治療効果が限定的である.そこで本研究では,我々が開発した1)RNA干渉によりRASのみならずエフェクター経路の複数分子(Akt,ERK,SOS1)を同時に抑制でき,2)化学的修飾およびLNP包埋によりRNase 耐性と腫瘍送達性が向上したmiR-143#12-LNPを用いてKRAS 変異ヒト骨髄腫の治療法開発を試みる.
|
研究成果の概要 |
KRAS変異多発性骨髄腫に対する有効な治療法は限られている。今回、RNA干渉によってRAS分子経路全体を制御する化学修飾マイクロRNA-143 (miR-143)のKRAS変異多発性骨髄腫に対する抗腫瘍効果をマウスモデルで評価した。実験の結果、化学修飾miR-143投与は脾臓の腫瘍細胞量およびmiR-143標的タンパクERK1/2および増殖マーカーp-Histone H3の発現を有意に減少させることがわかった。一方、骨髄においては、有意な抗腫瘍効果を認めなかった。以上より、化学修飾miR-143は臓器特異性があるものの多発性骨髄腫モデルにおいて、有意な抗腫瘍効果を示すことを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、KRAS変異多発性骨髄腫に対しては有効な治療法が限られている。今回の研究によって、KRAS変異多発性骨髄腫に対する、miR-143を使用した核酸医薬の有効性と特徴を明らかにした。
|