研究課題/領域番号 |
20K16217
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
仲山 美沙子 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (00510306)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 気道上皮 / オルガノイド / 喘息 / 慢性閉塞性肺疾患 / COPD / インフルエンザウイルス / SARS-CoV-2 / 網羅的遺伝子発現解析 / 気道オルガノイド / 急性増悪 / 完全分化 / 新型コロナウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
季節性インフルエンザウイルス感染により、世界全体で毎年300-500万人が重篤化し、そのうちの29-65万人が死亡している。喘息と慢性閉塞性肺疾患はどちらも感染重篤化のハイリスク因子として知られるが、そのメカニズムは明らかになっていない。 本研究では、患者由来の気道上皮細胞を試験管内で完全に分化させたモデルを作製し、インフルエンザウイルス感染後の反応の共通点および差異を見出す。それによって、インフルエンザウイルスにより喘息および慢性閉塞性肺疾患が急性増悪を生じるメカニズムを解明し、有効な治療法の開発につなげたい。
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研究成果の概要 |
喘息、慢性閉塞性肺疾患ではインフルエンザウイルス感染により呼吸器症状が急に悪化することが知られるが、その機序については明らかになっていない。 喘息患者から分離された一次小気道上皮細胞では、慢性閉塞性肺疾患患者、健常人由来の細胞と比較して、鳥型インフルエンザウイルス受容体の発現を促進するシアル酸転移酵素の遺伝子発現の上昇が認められた。細胞を分化させた小気道オルガノイドモデルにH1N1およびH5N1インフルエンザウイルス、新型コロナウイルスを感染させ、網羅的な遺伝子発現解析を行った結果、喘息とCOPD患者由来の小気道上皮細胞には、遺伝子発現パタンに異なる特徴があることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
喘息または慢性閉塞性肺疾患を有する患者ではインフルエンザウイルス感染によって重症化する危険性があることが知られる。本研究により、喘息と慢性肺疾患患者由来の小気道上皮では、インフルエンザウイルスに対する感受性や感染後の反応性が異なる可能性が示唆された。ウイルス感染が最初に成立するのは気道上皮であることから、気道上皮で感染を制御することにより、重症化を防ぐことが期待される。
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