研究課題/領域番号 |
20K16221
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
上田 史仁 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 助教 (20806129)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Hippo経路 / 胸腺上皮細胞 / 胸腺がん / Wnt-b-catenin経路 |
研究開始時の研究の概要 |
胸腺上皮性腫瘍は非常に稀な腫瘍であり、有効な分子標的薬の報告もない。一方、申請者らは準備実験でHippo経路を胸腺上皮特異的に破綻させたところ、非常に早期から胸腺がんを発症することを見出している。そこで本研究では、Hippo経路破綻による胸腺がんの発症・進展機構を解明することを目的とした。さらに、胸腺がんに対する新たな治療法を提示するとともに、その効果を検証することをめざす。 本研究の完成は、胸腺上皮における生理学、生化学、腫瘍学、免疫学等の研究分野に新しい知見を与えるだけでなく、胸腺がんの新規治療法やその効果を提示し、臨床医学や国民福祉にも貢献する。
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研究成果の概要 |
胸腺上皮性腫瘍は重症筋無力症などの自己免疫疾患を高頻度に併発することから、その発症・進展機構の理解は免疫学的にも重要であるが、非常に稀な腫瘍であるため解析がほとんど進んでいない。申請者らは胸腺上皮特異的Hippo経路構成遺伝子欠損マウスを用いて胸腺上皮性腫瘍の発症・進展機構の解明とHippo経路を標的とした治療の可能性を検証した。 種々の遺伝子改変マウスを用いた解析の結果、Hippo経路の破綻によって下流のエフェクター分子であるYAPが活性化し胸腺がん発症に繋がること、YAPを標的とすることで胸腺がんを治療できる可能性があることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、胸腺上皮性腫瘍の中でも特に稀な症例である胸腺がんに関して新たな知見を与えた。単一の遺伝子欠損で非常に早期に胸腺がんを発症する本モデルマウスは今後の胸腺がん研究において有用であるだけでなく、胸腺がんに対する治療薬としてYAPを標的とした薬剤が有用である可能性を提示できたことから、社会的にも本研究成果が与える影響は大きい。
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