研究課題/領域番号 |
20K16240
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
阿松 翔 金沢大学, 医学系, 助教 (90827346)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ボツリヌス毒素 / ヘマグルチニン / 腸上皮細胞 / E-cadherin / カドヘリンフロー / 細胞外輸送経路 / ボツリヌス毒素複合体 / アクチンフロー / 腸管バリア破壊 / E-カドヘリン / カドヘリン・フロー |
研究開始時の研究の概要 |
ボツリヌス毒素複合体のヘマグルチニン(HA)はE-カドヘリンを介した細胞間接着を阻害することによって腸管バリアを破壊する。腸管上皮細胞シートにおいて、HAは頭頂部側からタイトジャンクションを通過することができないため、腸管細胞をトランスサイトーシスした後、側底部側からアドへレンスジャンクション(AJ)のE-カドヘリンと結合する。申請者の先行研究から、HAはAJへ移行するためにカドヘリン特異的な細胞外輸送経路を利用することが示唆された。本課題は、極性細胞の底部細胞表面からAJが形成された側部細胞表面へのHAの輸送機構について細胞生物学的手法を用いて明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ボツリヌス毒素複合体のヘマグルチニン(HA)が上皮細胞のアドへレンスジャンクション(AJ)に局在するE-cadherinにアクセスするための細胞外輸送経路を解析した。HAは細胞の底部表面に結合した後、側部表面のAJへ移行することを明らかにした。HAのE-cadherin阻害活性はRhoA阻害剤、ROCK阻害剤およびミオシンII阻害剤によって抑制されたことから、HAの細胞外輸送はアクチンフローに依存することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ボツリヌス毒素複合体のヘマグルチニン(HA)はE-cadherinに結合して腸管上皮細胞間バリアを破壊することで毒素の経口毒性を顕著に増大させる。本研究では、HAが腸管バリアを破壊するためにアドヘレンスジャンクションへ移動する細胞外輸送経路を解析した。その結果、in vitroにおいてアクチンフロー阻害剤はHAのバリア破壊活性を阻害することを明らかにした。今後、マウスを用いた試験により上記の阻害剤がボツリヌス毒素の経口毒性を低下させるのかを解析する予定である。
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