研究課題/領域番号 |
20K16251
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
楊 佳約 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任助教 (10804825)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 腸内細菌 / 腸管粘膜 / 腸管粘膜細菌 / 炎症性腸疾患 / 大腸炎 / 腸管粘膜細菌叢 / 宿主恒常性 / 宿主微生物間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の研究で、腸内細菌は人の健康に影響を及ぼしていることが報告され,また腸管粘膜付近の細菌叢が宿主の健康により強い影響を与えている可能性も報告されている。しかし、解析手法が困難なため、腸管粘膜付近に局在する細菌の知見は限られている。研究代表者のこれまでの研究で大腸粘膜特徴的に局在する細菌叢を簡便に経時的に解析する手法を開発した。本研究では、その手法を用い、腸管粘膜細菌叢がもたらす宿主恒常性について、健康状態から疾病状態へ移行する際の腸管粘膜細菌叢の変化をメタゲノミックス解析で網羅的に調べ、宿主恒常性の維持やその破綻に関与する腸内細菌を探索し、さらにその作用機序を分子生物学的アプローチで迫る。
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研究成果の概要 |
腸内細菌叢が人体の健康に影響を与えることが報告されている。その中でも腸管粘膜近傍に局在する腸内細菌の中には、宿主免疫系に影響を与える腸内細菌の存在が報告されていることから、粘膜近傍に局在する腸内細菌の機能理解は重要である。本研究は大腸腸管粘膜と小腸クリプトに局在する新規の細菌を同定し、同菌が無菌マウスへ定着するためにはパートナーとなる細菌が必要であることを明らかにした。さらに、同菌定着させたマウスは炎症性腸疾患(IBD)のマウスモデル大腸炎の症状が緩和された。よって同菌は宿主健康に有益な細菌と考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IBDは腸管免疫の破綻によって引き起こされる病気であり、腸内細菌叢が深く関与しており、患者数は増加の一途を辿っている。しかしながら、疾患の要因が多種多様であり完全に解明されておらず、根本的な治療法が確立していないため、根治は難しく、患者は社会的活動を中断せざるを得ないケースが多く存在する。そのため、有効な治療法の開発が求められる。本研究で発見した新規の腸管粘膜近傍局在細菌はIBDの治療法の開発に応用可能だと考えられる。
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