研究課題/領域番号 |
20K16254
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松前 ひろみ 東海大学, 医学部, 助教 (00735681)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | ゲノム解読 / 遺伝的多様性 / 医真菌 / 木材腐朽菌 / バイオインフォマティクス / de novo assembly / Iso-Seq / キノコ / 菌類 / 集団遺伝学 / リファレンスゲノム / 画像解析 / 遺伝子アノテーション予測 / 進化ゲノミクス / 真菌 / 真菌症 / ミュゼオミクス / 進化医学 |
研究開始時の研究の概要 |
日本を中心に、稀に呼吸器のアレルギー性疾患といった深在性真菌症に関与する環境真菌・スエヒロタケのゲノムをNGSを用いて解析する。本種は既知の生物の中で、最も高い遺伝的多様性をもつという進化的に興味深い特徴をもつため、特定の遺伝型をもつ菌株が発病に関与するかどうかといった基礎的な背景を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
木材腐朽菌であり、深在性真菌症の原因真菌のキノコ・スエヒロタケの日本産株の全ゲノムと転写産物を解析した。核酸抽出系も確立していなかったため、DNA及びRNA抽出系の確立も目指した。 DNA抽出では安定的にMinIONとショートリードでシーケンシングできた。またRNA抽出はDNA以上に分解が早く困難であったが、最終的に高品質なRNAを抽出できた。アセンブルの品質はBUSCOで98-99%に達した。日本株のうち代表的な2株について、ゲノム支援を受け、PacBio Iso-Seqで完全長アイソフォームを取得し、遺伝子アノテーション予測を実施した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、医学から菌学まで幅広い領域に関わる多細胞性の真菌のゲノム基盤を構築していることにある。今後、医学的には人体に定着しアレルギー症状を引き起こすようなタンパク質などの探索に利用できる。またゲノム科学において、菌類のモデル生物は単細胞性の酵母に限定されているが、スエヒロタケは培養も容易なため、多細胞性のキノコのモデル生物として最適である。さらに生態学的には野外で普遍的に観察される木材腐朽菌で、そのゲノム情報は医学を超えて活用できる可能性があり、汎用性が高いと言える。
|