研究課題/領域番号 |
20K16255
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
|
研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
清家 総史 広島国際大学, 薬学部, 助教 (90806275)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | Aeromonas / Biofilm / バイオフィルム / 外膜小胞 / OMVs / 細胞毒性 / Aeomonas / 感染 / 病態 / OMV / ECM |
研究開始時の研究の概要 |
Aeromonasはグラム陰性桿菌で,食中毒起因菌に指定されているが,癌や肝硬変などを基礎疾患にもつ易感染性宿主では,四肢の壊死を伴う劇症型感染症例も数多く報告されている.劇症型感染症は病状の進行が非常に早く,適切な治療法がなく,予後不良のケースが多い.申請者は,感染予防法の確立が本菌感染症の劇症化の克服に対する最優先課題と捉え,しばしば難治化病巣や感染源に形成されるbiofilmに注目し,本菌による劇症型感染症の予防法や治療戦略を確立したいと考えている.本研究では,菌の定着・重症化の引き金になっていると考えられるbiofilm形成とそれに関わる分子に着目し,新たな抗菌戦略を模索する.
|
研究成果の概要 |
これまでの研究で,Aeromonasが形成するbiofilmのマトリックス中には多くの外膜小胞 (OMVs)が含まれていることを見出していたが,その機能は不明であった.本研究では,biofilmに含有されるOMVsはbiofilmの形成促進因子として機能していることを見出した.また,それだけではなく,biofilmに含まれる外膜小胞が宿主細胞に作用し,細胞毒性を示すことを見いだした.本菌が遊離する外膜小胞が,菌の生存(biofilmを形成し,感染源となる)に関わること,さらに,宿主に対して病原性を示す手がかりを得た.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,本菌が遊離するOMVsがAeromonasのbiofilm形成を促進するだけでなく,病原性発現にも関与していることを見出した.OMVsの作用は多岐にわたるが,その作用の詳細は未知な点が多い.本研究が更に進展し,菌とOMVsの相互作用,OMVsの宿主細胞に対する詳細な毒性メカニズム等が明らかになれば,感染症の克服の一助になると期待できる.
|