研究課題/領域番号 |
20K16269
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
|
研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
佐々木 永太 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 主任研究官 (40762216)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 樹状細胞 / IgA抗体 / 粘膜免疫 / 経鼻ワクチン / インフルエンザウイルス / 自然免疫 / ワクチン / アジュバント / pDC / 肺 / 呼吸器感染症 / インターフェロン |
研究開始時の研究の概要 |
呼吸器感染ウイルスの場合、経鼻ワクチン接種によるIgA抗体産生の誘導が感染防御に極めて重要であり、そのメカニズム解明は重要な課題である。形質細胞様樹状細胞 (pDC) はウイルス感染時に1型インターフェロン (IFN) を産生する特徴的な細胞であるが、pDCはIgA抗体産生にも関与することが強く示唆されており、従来の1型IFNによる機序では説明ができない未知のpDC機能について、解明が待たれている。そこで、本研究では肺に集簇したpDCから効率良く、IgAが産生誘導される機序を解明するために、IgA産生に重要な未知のpDCサブセットの同定と、そのIgA産生誘導メカニズムの解明を行う。
|
研究実績の概要 |
同定したpDCサブセットのB細胞活性化、形質細胞分化促進作用を明らかにするため、同定したマウスpDCサブセットとB細胞 (CD19抗原陽性) をセルソーターによって分取し、in vitroで、IL-2, IL-10およびCD40L存在下で12日間共培養し、培地中IgGおよびIgM濃度を測定したところ、pDC存在下においてIgGおよびIgM産生が認められた。同定したpDCサブセットが抗原特異的抗体産生を強く誘導させるのかを明らかにするため、同定したpDCサブセットおよび、それ以外のpDCサブ セットをセルソーターによって分取し、in vitroにおいてインフルエンザ抗原にパルスさせた後、無感作のマウスに移植し、2週間後に血清中の抗原特異的抗体量の測定した。その結果、同定したpDCサブセットを移植したマウスにおいて、強い抗原特異的IgG抗体価の上昇が認められた。さらに、抗原パルスしたpDCサブッセットを気管支内移植したところ、移植されたマウスにおいて抗原特異的IgA抗体価の誘導が認められた。このことからpDCサブセットは局所において抗原提示を行い、液性免疫を誘導することが明らかになった。 抗原パルスしたpDCサブセットを移植したマウスにインフルエンザH1N1ウイルスを感染させ、体重減量を評価したところ、抗原パルスをしていないpDCサブセットを移植したマウスと比較して、体重減少は有意に抑制された。 以上の結果から、本研究では同定したpDCサブセットが肺や気管支におけるIgA抗体産生に関与し、呼吸器系ウイルス感染防御において重要な役割を担うことを見出した。
|