研究課題/領域番号 |
20K16292
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
伊藤 新 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60528321)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 非アルコール性脂肪肝疾患 / T細胞 / GLP-1受容体 / GLP-1受容体作動薬 / T細胞 / アネルギー / 非アルコール性脂肪肝 |
研究開始時の研究の概要 |
第一にin vitroの系においてGLP-1受容体作動薬がマウスのCD4およびCD8陽性T細胞に発現するGLP-1受容体を介した経路によりアネルギーを誘導する機序を明らかにする。そこで明らかになった知見から、第二にT細胞アネルギーがin vivoの系においてマウスの肝脂肪蓄積の減少効果および耐糖能を改善させる機序について明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、GLP-1受容体作動薬が肝内免疫担当細胞、特にT細胞にアネルギーを誘導し過度の炎症起点が制御されNAFLDおよび全身の糖脂質代謝異常が是正されると仮説をたて、GLP-1受容体作動薬がもたらす免疫学的な変化の検証を目的とし遂行した。GLP-1受容体作動薬がT細胞Exhaustionに類似した表現型をもたらすこと、そして肝臓におけるT細胞のGLP-1容体の役割として、非アルコール性脂肪肝疾患の形成に肝内T細胞活性化が寄与し、T細胞に発現するGLP-1受容体を介した介入により、T細胞へExhaustionをもたらす機序により同疾患の軽減効果をもたらすことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GLP-1受容体は元来膵β細胞に豊富に発現しておりインスリン分泌増強作用が主作用であることが知られているほかに、多面的な作用により代謝異常の改善に寄与するとされていたが、免疫担当細胞に発現しているGLP-1受容体の役割に関する報告は非常に少ない。本研究で証明した肝内のCD4あるいはCD8陽性T細胞のGLP-1受容体発現およびGLP-1受容体作動薬によるT細胞表現型の変化に関する発見により、まだ根治療法の乏しい非アルコール性脂肪肝疾患の治療選択肢のひとつとして今後発展できる可能性を含んでおり、学術的あるいは社会的に意義のある研究成果であるといえよう。
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