研究課題/領域番号 |
20K16304
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構四国がんセンター(臨床研究センター) (2021) 岡山大学 (2020) |
研究代表者 |
西脇 紀之 独立行政法人国立病院機構四国がんセンター(臨床研究センター), その他部局等, 医師 (90766114)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | インターロイキン6 / がん微小環境 / がん関連線維芽細胞 / ドラッグリポジショニング / ドラッグ・リポジショニング / IL-6 / Drug repositioning / CAFs / Tocilizumab |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、がん微小環境の中心的役割を担うCancer-associated fibroblasts (CAFs)の機能解析や治療法開発を行ってきた。最近、CAFsはIL-6を介して腫瘍免疫抑制状態へと誘導し、腫瘍増殖に貢献していることを発見し、IL-6制御による腫瘍抑制効果について報告した。Drug-repositioningとは、既存のある疾患に有効な治療薬から、別の疾患に有効な薬効を見つけ出すことである。本研究においては、臨床利用されている抗IL-6受容体抗体製剤(Tocilizumab)の悪性腫瘍に対する有効性、Drug-repositioningの可能性について検討することを目的とする。
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研究成果の概要 |
がんの浸潤、増殖、転移にはがん微小環境が大きな役割を果たしており、がん関連線維芽細胞は特に重要な働きをしております。本研究では食道癌患者の臨床検体において、がん関連線維芽細胞がインターロイキン6を介して腫瘍免疫を抑制性に誘導していることを明らかにしました。また、動物実験モデルにおいて、抗インターロイキン6受容体抗体製剤による治療にて腫瘍免疫は活性化し、腫瘍増殖が抑制されることを明らかとしました。抗インターロイキン6受容体抗体製剤は、既にリウマチなどの治療に用いられている薬剤ですが、がん治療へ応用できる可能性が示唆されました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんの浸潤、増殖、転移には、がん微小環境が大きな役割を果たしていることが明らかになっています。我々は、特にがん関連線維芽細胞に注目し、その産生するインターロイキン6ががん微小環境を免疫抑制状態に誘導し、がん患者の予後を不良にしていることを明らかとしました。さらに、すでにリウマチなどの治療に用いられているインターロイキン6受容体抗体製剤をがん治療に応用する可能性についても検証し、動物実験モデルにおいてがん微小環境内の免疫賦活化と腫瘍増殖抑制効果を認めました。
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