研究課題/領域番号 |
20K16306
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鶴田 朗人 九州大学, 薬学研究院, 助教 (40847745)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腫瘍免疫 / 時間生物学 / 時間薬剤学 / 概日時計 / 腫瘍関連マクロファージ / 腫瘍微小環境 / 概日時計機構 / がん |
研究開始時の研究の概要 |
不規則な生活習慣に基づく生体リズムの乱れは、免疫機能異常などを介して、腫瘍の増殖に有利な環境を造り出すことが指摘されている。近年、腫瘍の増殖を抑制するはずの免疫細胞が性質変換を起こし、がん細胞の増殖を促進することが明らかにされている。時計遺伝子は免疫機能を制御するためため、浸潤した個々の免疫細胞の時計遺伝子の機能を解析することは生体リズムの乱れと腫瘍増殖との関係性の理解に繋がると考えられる。本研究では、腫瘍に浸潤した免疫細胞を分離し、個々の細胞の時計遺伝子の機能変化を解析することで、慢性的な生体リズムの乱れによる腫瘍増殖のメカニズム解明とその予防策・治療法について基礎的な検討を行う。
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研究成果の概要 |
生体時計を制御する時計遺伝子は免疫細胞の中でも発現しており、様々な免疫機能を制御している。そのため、生体時計の変容は免疫機能異常を生じさせる要因の一つであることが指摘されている。本研究では、腫瘍微小環境に浸潤したマクロファージ(turmo-associated macrophage: TAM)において、概日時計機構が変容することを見出した。TAMにおける概日時計機構の変容が、免疫チェックポイント阻害剤ICIの治療標的となっているProgrammed death receptor-1(PD-1)の発現リズムを制御し、ICIの治療効果に日内変動を生じさせることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、がん細胞によってがん組織に浸潤した免疫細胞の概日時計機構が変容することで、免疫機能に変化が生じ、腫瘍浸潤マクロファージに発現するProgrammed death receptor-1(PD-1)の発現リズムに合わせて免疫チェックポイント阻害剤を投与することによって薬効を増強できることを明らかにした。本研究成果は、免疫チェックポイント阻害剤の効果を最大限引き出すための投薬時刻設計につながることや、生体リズム変容ががん発症を助長するメカニズムの解析につながることが期待される。
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