研究課題/領域番号 |
20K16308
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山下 晃平 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (00867202)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 胃癌 / NK細胞 / HLA-E / 可溶性HLA-E / NKG2 / Monalizumab / 免疫チェックポイント分子 / NKG2A |
研究開始時の研究の概要 |
NKG2A/HLA-E経路は、NK細胞の活性化を制御する免疫チェックポイント機構で、この経路を標的としたanti-NKG2A抗体(Monalizumab)の前臨床段階での抗腫瘍効果が頭頸部癌で報告された。本研究は、新規免疫チェックポイント機構であるNKG2A/HLA-Eに注目し、胃癌での抗腫瘍免疫応答におけるNK細胞活性化の意義を検討する。また、NKG2A/HLA-Eの発現制御に関わる分子メカニズムを明らかにし、NKG2A/HLA-E阻害剤の治療効果予測のバイオマーカーの同定やPD-1/PD-L1阻害剤及び分子標的治療薬との併用療法の有用性を検討する。
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研究成果の概要 |
新規免疫チェックポイント機構のNKG2A/HLA-E経路は、がんの免疫逃避に関与することが報告されている。この経路の阻害により、NK細胞やT細胞の再活性化が促され抗腫瘍効果を示すことから、様々ながん種で新規免疫治療標的として期待されている。 本研究では、胃がんのHLA-E高発現、NK細胞の低浸潤が胃がん患者の予後不良因子であることが明らかとなった。また、胃がん細胞のHLA-E発現がIFNγの刺激で上昇し、その後、がん細胞膜表面から切断され、可溶性HLA-Eとなることがわかった。さらに、胃がん患者の血中の可溶性HLA-E濃度が胃がんステージの進行に伴い上昇することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進行胃がんは依然として予後不良であり、新たな治療標的やバイオマーカーの創出が急務である。本研究により、胃がんのHLA-E発現及びNK細胞浸潤のバイオマーカーとしての意義が明らかとなり、NKG2A/HLA-E を治療標的とした創薬の展望が開けた。また、胃がん細胞のHLA-E発現がダイナミックに変化する制御機構が明らかとなり、その結果生成される可溶性HLA-Eを血液検査での低侵襲なリキッドバイオプシーとして利用することで、がんの早期発見、がん治療の効果の評価、がん再発の早期発見につながる可能性が示唆された。
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