研究課題/領域番号 |
20K16316
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
佐倉 杏奈 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 研究技術員 (80626698)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 乳癌 / PLK1 / 相同組換え修復 / PARP阻害薬 / 予後不良 / 腫瘍マーカー / 相同組替え修復 / bioinformatics / 卵巣癌 / PARP阻害剤 / 細胞周期 / PLK1 |
研究開始時の研究の概要 |
PLK1の過剰発現は多くの癌で見られ予後不良と相関がある。乳癌でもこの相関が見られPLK1過剰発現癌に対する効果的治療方法の確立が重要である。PARP inhibitorは理論上副作用のない理想的な新規抗癌剤である一方、適応が限定的であり適応拡大が望まれる。本研究はPLK1過剰発現がCDK1酵素活性を抑制しBRCA2によるDNA 損傷修復を抑制すること、またこれによりPARP inhibitorに高い感受性を示すことを基礎実験で確認した。本研究は細胞株および臨床検体でも同様の結果が得られるか、またPLK1過剰発現がPARP inhibitorに高感受性を示す詳細な機序を検討する。
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研究成果の概要 |
TCGA (The Cancer Genome Atlas) データベース、およびCancer Cell Line Encyclopedia (CCLE)データベースを用いbioinformaticsでの検討、および癌細胞株を用いた検討でPLK1過剰発現が相同組換え修復を抑制することを証明した。またCCLEデータベースを用いたbioinformaticsでの検討でPLK1過剰発現がPARP阻害剤感受性に対し高い感受性を示すことを証明した。この結果は卵巣癌臨床検体を用いた検討で再現性を証明した。以上よりPLK1 過剰発現が相同組換え修復を抑制しPARP阻害剤に高感受性であることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の報告でPLK1が相同組換え修復に関わることが明らかになりつつあるが、PLK1過剰発現が相同組換え修復に及ぼす影響は不明であった。本研究にてPLK1過剰発現が相同組換え修復を抑制することが明らかになった。これによりPLK1の相同組換え修復への関わりの理解が深まることが予想される。またPLK1過剰発現は多くの癌でみられ、予後不良と関連があるが、PLK1過剰発現癌に対する効果的治療方法は確立されていない。本研究により予後不良であるPLK1過剰発現癌に対し、PARP阻害薬という合成致死に基づく理論上副作用のない理想的な抗癌剤を用いた薬剤が効果的治療方法となりうることを示した。
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