研究課題/領域番号 |
20K16318
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2021) 公益財団法人がん研究会 (2020) |
研究代表者 |
芳野 聖子 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (40793617)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | Trib1 / Hoxa9 / ChIP-seq / 白血病 / Ts1Cje / ダウン症関連白血病 / C/EBPα / Ts1Cjeモデルマウス / スーパーエンハンサー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、Trib1によるエピゲノム修飾を包括的に明らかにし、エンハンサーリプログラミングによるAML悪性化機構の詳細を明らかにする。この目的を達成するために、Trib1を単独で発現させたマウス骨髄細胞及びTRIB1の発現の高いヒトAML細胞を用いて、Trib1発現の有無で変動するエンハンサー、スーパーエンハンサーを網羅的に調べ、エンハンサー修飾に重要な新規転写因子及び標的遺伝子を網羅的に探索する。さらに、Cop1コンディショナルKOマウスからCop1欠損AML細胞を作製して、ユビキチン化タンパクの網羅的探索及び遺伝子発現解析を行い、Trib1/Cop1の新規分解標的を同定する。
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研究成果の概要 |
ヒトのダウン症に伴う急性巨核芽球性白血病(DS-AMKL)では,Trib1の機能獲得型変異R107Lが同定されており,その過剰発現はマウスAMLの発症を促進することが明らかになっている。ダウン症モデルマウスTs1Cjeを用いて、Trib1のダウン症での白血病発症と悪性化の影響を検討した。Ts1Cjeおよび野生型マウスの骨髄細胞に、Trib1 WTまたはTrib1 R107Lを感染させ、骨髄移植実験を行った。その結果、Trib1 WTおよびTrib1 R107Lを導入したTs1Cjeマウス骨髄細胞は、野生型マウス骨髄細胞と比較し、有意にAML発症を促進することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、Trib1の発現の有無で変動するエンハンサーおよびスーパーエンハンサーとエンハンサーに集積する新規転写因子群が明らかになった。今後は、これら転写因子群が正の制御ループを形成し、Trib1によるAML悪性化機構に関与するのかどうかを検証する。さらに、Trib1はダウン症モデルマウスのAML発症を促進し、Trib1を発現するTs1Cje細胞は、野生型細胞と比較して、Hoxa標的遺伝子群の発現がエンリッチしていることが明らかになった。Trib1の関連するシグナルがダウン症関連白血病の悪性化に寄与していることから、TRIB1が治療標的になる可能性が示唆された。
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