研究課題
若手研究
一部のがん細胞において過剰発現されている膜タンパク質に対して、現在医薬品として用いられている抗体医薬品よりもがんに特異的な抗体医薬品を開発したい。そのために、申請者が所属する研究室にて開発した腫瘍特異的糖鎖構造を認識する抗体作製法であるCancer-Specific Monoclonal Antibody (CasMab) 法を用い、膜タンパク質に対してがん特異的な抗体を作製し、抗体が認識している腫瘍特異的糖鎖構造および抗腫瘍効果、さらに抗体医薬品開発の可能性を検証する。
がん特異的糖鎖構造を形成するとリアルタイムPCRの解析結果より見込まれる神経膠芽腫の細胞株であるLN229にEGFRを強制発現させたLN229/EGFRを免疫原としてBalb/cマウス計10匹以上に免疫し、免疫したマウス脾臓を用いてハイブリドーマを作製し、Flow cytometoryによる抗体のスクリーニングおよびクローニングを行った。その結果200種類以上の抗EGFRモノクローナル抗体を樹立した。作製した200以上の抗EGFRモノクローナル抗体について、Flow cytometory、ウエスタンブロッティング法、および免疫組織化学染色法に有用であるかを各モノクローナル抗体について順次検討した。また、EGFRを発現している正常細胞株およびがん細胞株を用いてがん細胞株のみに反応する抗EGFRモノクローナル抗体についても順次探索した。抗EGFRモノクローナル抗体のエピトープについても4つあるEGFRドメインのうちどのドメインに結合するかを検討した。その結果、ドメインⅢに結合する抗体が最も多かったため、ドメインⅢに結合するエピトープの詳細な解析をタンパクを構成するアミノ酸の間に5つのアミノ酸RIEDLを挿入することでタンパク構造の一部を変化させエピトープを解析する新しいエピトープ解析手法REMAP法にて解析した。その結果、アラニン置換等の点変異導入ではわからなかった抗体のエピトープを解析することができた。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (1件)
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