研究課題/領域番号 |
20K16326
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
周 越 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (10733339)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | VEGFR3 / リン酸化 / 卵巣がん / がん悪性化 |
研究開始時の研究の概要 |
受容体型チロシンキナーゼ(RTK)は、様々ながん細胞において発現しているタンパク質であり、その活性化機構についてはこれまでに解析が進められてきた。近年、我々はRTKに属するEGFRやEphA2の新しい活性化機構を見いだし、それらはこれまでに知られてきた機能とは異なることを明らかにした。本研究では、がんの転移に関わる可能性があるRTKのVEGFR3に注目し、これまでの我々の研究をさらに発展させる。VEGFR3の新しい制御機構を検討し、それががんの悪性化を誘導することを実証することで、がん分子標的治療への新たな情報提供を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は受容体型チロシンキナーゼVEGFR3の活性への非定型的リン酸化への機能とがん細胞における非定型的活性型VEGFR3の機能について検討した。 リガンドの刺激によって、受容体型チロシンキナーゼは活性化する。VEGFR3のリガンドとして、VEGF-CとVEGF-Dが知られている。昨年度樹立した細胞株に対して、VEGF-CとVEGF-Dを様々な濃度および時間で刺激し、非定型的リン酸化を検討したが、その誘導は起きていなかった。このことから、VEGFR3の活性化は、非定型的リン酸化を抑制することが示唆された。今後はVEGFR3の活性を評価するための方法を確立し、チロシンキナーゼ活性による非定型的リン酸化の抑制機構を明らかにする予定である。 がん細胞における非定型的活性型VEGFR3の機能について、昨年度樹立したVEGFR3非リン酸化模倣体とリン酸化模倣体を安定発現する乳がん細胞株用いて検討した。通常の培養では、両者の間で増殖能に変化はなかった。抗がん剤を作用させたところ、リン酸化模倣体のほうが非リン酸化模倣体と比べて生存率が上がった。このことから、非定型的活性型VEGFR3は抗がん剤への耐性化に関わることが示唆された。卵巣がん細胞において抗がん剤への耐性化におけるVEGFR3の寄与について既に報告はあるが、非定型的リン酸化の関与についてはわかっていない。そのため、今後は抗がん剤耐性に対する非定型的活性型VEGFR3の機能を解明する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
VEGFR3の活性を評価するための方法が確立されていなかったため、まずは活性評価法の確立に取り組んだ。これに時間を要したため、研究が遅れた。また、非定型的リン酸化部位に対する抗リン酸化抗体の作製を受託したが、抗体作製は困難を極め、作製に半年以上要した。3月末にようやく作製できたため、今後はこの抗体を用いて実験を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
作製したリン酸化抗体を用いてVEGFR3の非定型的リン酸化の制御機構およびチロシンキナーゼ活性への寄与を明らかにする。また抗がん剤耐性に対する非定型的活性型VEGFR3の機能を明らかする。さらに血管・リンパ管内皮細胞における非定型的活性型VEGFR3の機能を明らかにする。
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