研究課題/領域番号 |
20K16327
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
石橋 公二朗 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (10847601)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | グリアネットワーク / 脳転移微小環境 / mGluR1 / アストロサイト / 代謝型グルタミン酸受容体 / 転移性脳腫瘍 / 脳微小環境 / がん抑制性/促進性アストロサイト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、脳微小環境の主要な構成細胞であるアストロサイトとミクログリアの相互作用に着目し、申請者が開発した新規in vitro共培養系とがん脳転移マウスモデルを用いることで、がん細胞-アストロサイト-ミクログリア間の相互作用を介したがん促進性・がん抑制性初期脳転移ニッチの形成メカニズムを包括的に理解し、脳転移腫瘍の根治を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題は脳転移微小環境における細胞間相互作用をターゲットにした転移性脳腫瘍の治療法の開発を目指すものであり、独自に開発したin vitro共培養法を用いて脳転移微小環境の解析を行った。その結果、アストロサイトとの相互作用により代謝型グルタミン酸受容体の一種であるmGluR1の発現ががん細胞で大きく亢進し、細胞の生存がグルタミン酸依存的シグナルにスイッチすることを明らかにした。さらに、mGluR1を標的にすることで転移性脳腫瘍の進展を抑制することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上述のように本研究課題により、転移性脳腫瘍におけるがん細胞とアストロサイトの相互作用を解析した結果、脳転移がん細胞の生存にはmGluR1が重要であることを明らかにし、これを標的とすることで転移性脳腫瘍の進展を抑制することに成功した。このようなmGluR1を介した生存シグナルの亢進メカニズムは抗がん剤耐性のがん細胞でも観察され、mGluR1を阻害することにより抗がん剤耐性がん細胞の脳転移の進展を抑制した。これらの結果から、本研究で明らかにした転移性脳腫瘍におけるmGluR1を介した生存シグナルの亢進は、これまで治療が困難であった抗がん剤耐性がん細胞に対する新たな治療法として大きく期待できる。
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