研究課題
若手研究
デスモイドは特異的な挙動を示す疾患であり、予後予測因子及び有用な薬物療法はまだ確立されていない。力学的要素が発症・進展に関与することが示唆されており、本研究の目的は基質硬度がデスモイドの腫瘍進展に与える影響の検証である。デスモイド由来の培養細胞を異なる硬度の基質上で培養し、その分子生物学的意義を明らかにし、新規の予後予測因子及び治療ターゲットを探索することを目的とする。
デスモイド型線維腫症培養細胞を用いて、筋線維芽細胞に強く発現するα-SMAタンパク・デスモイド型線維腫症で発現と核内集積が既知であるβ-cateninタンパク発現が上昇することを確認した。また、過去に間葉系細胞での発現が報告されている機械的シグナル受容体Trpv4のデスモイド型線維腫症培養細胞における発現を免疫蛍光細胞染色で確認した。臨床的知見からのアプローチとして、デスモイド型線維腫症に対する保存的治療の臨床成績および画像上の増大・治療介入に至るリスクの検討を行った。頸部発生例とCTNNB1 S45F変異例が治療介入リスクであった。
当院において半年以上の経過観察が可能であった168病変を対象として検討を行い、168病変中44%に当たる74病変で治療介入が行われていた。頸部発生例では画像上の増大とは有意な関連を示さなかったが、他の部位と比較し有意に治療介入に至るリスクが高かった。他の治療介入リスクとしてはCTNNB1 S45F変異を持つ例が単変量・多変量解析ともに治療介入リスクであった。この結果はアジアからの報告として最大であること、また頸部が治療介入のリスクであることを示唆することができ、有用な報告であると考える。本研究成果は、国際科学誌『Cancer Medicine』に掲載された。
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 2件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 16件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 4件)
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